調査サマリー

社会人で英語力が向上した人の学習の特徴

社会人の英語学習実態調査

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社会人の英語学習実態調査

「社会人の英語学習実態調査」の実施概要は下表のとおりです。

企業・事業のグローバル化が進み、従来以上にグローバルに活躍できるリーダーの絶対数が必要となってきています。その要となるスキルのひとつは「英語でのコミュニケーションスキル」と言えるでしょう。一方、学生時代に英語を学んでベースがある程度できているにもかかわらず、英語を使いこなすことができない社会人は相当数存在します。そして、必要に迫られて、もしくは将来に備えて英語学習を再開する際に、順調に学習を進められている人ばかりではないようです。

本調査では、社会人になってから、この5年間で英語が上達した人を対象とした調査を行うことによって、社会人の英語学習の課題とその乗り越え方を明らかにすることを試みました。

調査概要

調査概要

調査結果サマリー

英語学習では100人の達人がいれば、100人のやり方を勧めます。本調査で、実際の英語学習者に学習時間や効果のある学習法を聞いてもさまざまであることが再確認できました。一方、学習成果をあげている人の共通点としては英語学習を継続している点が挙げられ、現在の英語力が高い人ほど時間を費やす必要性を認識し、実際に時間を費やしているということが示唆されました。

社会人にとっての英語学習は、必要に迫られた切羽詰まったものではないケースも多いです。仮に企業でTOEIC基準を定めるなど英語学習の必要性がある場合でも、企業が全従業員の学習を支援できるとも限りません。そうなると、個々人の「時間」「意欲・継続」という課題がより大きくなるでしょう。それをクリアするには、まずは各々が必要な学習時間を認識し、継続するための“自分なりの”方法論をどう組み立てられるかがカギとなりそうです。自分の英語力に合った学習内容をどう選択するか、ということはもちろん重要でありますが、“自分に合った”学習法で“続けていくこと”を第一義に置くことが、結果として英語力向上に寄与すると言えそうです。

今回実施した定量調査から、具体的には、以下のような実態を確認することができました。

オフィスで英語を使う経験 ~会話機会は少ない

 ● オフィスで英語を使う経験としては、読む、書く、会話の順に頻度が下がっていく

 ● 頻度が高ければTOEIC得点が高いというわけではないが、TOEIC600点台のオフィス英語利用頻度は低い

 ● 英語力の向上によって仕事で英語を使う機会が増えた、仕事で英語を使う機会があるから英語力が向上した、いずれのケースもあるようだ

英語学習の目的・理由 ~今すぐ必要なケースばかりではない

 ● 英語学習の目的・理由としては、「仕事を進める上で必要」が最多(58%)、「仕事を進める上でいずれ必要」(34%)、「英語でニュースを理解したい」(30%)、「資格試験」(29%)が上位

 ● 「仕事での必要性」はTOEIC800点以上、「将来の仕事に備えて」は700点台の比率が高い

 ● 「仕事を進める上で必要」と回答した人が仕事で必要とする手段は、「メール」が最多(95%)、「対面」(85%)、「電話」(76%)と続く

学習時間 ~英語力が高い人ほど必要時間の認識・実際費やした時間ともに多い

 ● 集中して学習した期間(※目安として「1週間に3時間以上学習した」期間)は「3年以上」が最多、「数ヶ月」「1年」と続く

 ● 上記期間での平均的な1週あたりの学習時間数は「3時間」が最多、「5時間」「7時間」と続く

 ● 大学まで英語教育を受けた人が仕事上でNon-Nativeとして十分コミュニケーションできるようになるには、「1000~3000時間」必要が最多、続いて「500~1000時間」

 ● それに対して、実際自分が英語力向上のために費やした時間は「500時間未満」が最多、続いて「500~1000時間」

 ● 必要な学習時間が「5000時間より多い」との回答はTOEIC800点以上の比率が高く、実際に費やした時間も「5000時間より多い」が他得点群より比率が高い

学習内容・方法 ~非常に多岐にわたる

 ● 学習内容として選択率が高いのは「スクール」「市販の英語教材」「書籍」

 ● TOEIC800点以上では「新聞・雑誌」「映画やドラマ」といった実用的なメディアを通じて学習している割合が高い

 ● 学習方法として「経験あり」の選択率が高いのは「ボキャブラリービルディング」「音読」「ディクテーション」、「効果があった」の選択率が高いのは「サマライジング」「パラフレージング」「スラッシュリーディング」「ディクテーション」

 ● 効果のあった学習法トップ3は「実践機会」、「Podcast、聞き流し教材、リスニング関連」、「スクール」

 ● 効果のなかった学習法としては参考書、単語の暗記、スクールなどが多く、理由としては、「飽きる・単調・面白くない」「続かない」「効果がない(感じられない)」「できない(能力に合わない)」、「定着しない」など

英語学習の問題点・課題 ~時間確保、継続、実践機会が課題

 ● トップ3は「時間」(時間がとれないなど)、「意欲・継続」(モチベーションが続かない、継続が大変など)、「実践機会」(話す機会がない、使う機会がないなど)

 ● TOEIC得点別には、600点台は「効果的な学習法がわからない」「伸び悩み、成果・効果が見えない」「語彙」に関するもの、700点台は「リスニング」「ライティング」「発音」「TOEIC」に関するもの、800点以上「会話」に関する回答が特徴的

 ● やる気を継続させるために行っていることは「自分で目標を立てる」38.0%「決まった時間にスクールに通う」29.6%「テストを受ける」29.4%

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