論文

時系列アンケート(研修効果測定)の分析⼿法の提案 ― ネットワーク分析に着想を得てー

発表年月
2025年9月

企業における階層別研修は、各階層の役割や責任に応じたスキルや知識の習得を目的として実施されているが、その効果の測定方法や分析手法については統一的な基準が確立されていない現状がある。これらの確立が難しい要因として次の2点が挙げられる。

まず階層別研修は多くの場合受講者の数が30名前後に留まることである。このサンプル数では推測統計的手法による推定を行うことは難しく、できることとしては時点ごとの記述統計が限界であり、前後のつながりを分析の対象とすることは難しい。次に、研修効果に影響を与えると考えられる変数が多く、統制が難しいことである。研修に集められる参加者たちは勤め先における階層が同じであるということだけで、他の条件では統制されていないことが多い。この状況下ではベースラインとして統制すべき属性が多すぎ、何らかの統計的推定を行うための標準化が困難である。

本研究ではこれらの課題を踏まえ、ネットワーク分析の考え方を参考に、階層別研修の効果をより包括的かつ精緻に分析するための記述統計的手法の確立を目的とし、実際の階層別研修のデータを用いて提案手法の有用さを検証した。

本研究の成果は、企業の人材育成戦略の最適化や研修効果の可視化を促進し、持続的な人材開発の実現に貢献するものである。

発表者
伊藤有梨花
杉山 剛
出典
産業・組織心理学会第40 回大会
  • SHARE
  • メール
  • リンクをコピー リンクをコピー
    コピーしました
  • Facebook
  • LINE
  • X

関連する記事