論文

個人とみんなの心理的安全性はどちらが大事か 異なる視点からの回答を用いた探索的検討

発表年月
2025年9月

心理的安全性(Psychological Safety: PS)は集団レベルの概念であるが、質問項目が「私」について尋ねる個人PSと、「職場メンバー」について尋ねる職場PSでは測定結果が異なり、一般に前者の評価結果の方が高くなる系統だったバイアスが見られる。本研究ではさらに、2種類のPSが、職場のパフォーマンスや個人の適応感といった結果変数とどのような関連があるかについて、探索的に検討した。その結果、適応感には個人PSのみ関連があり、職場PSは関連が見られなかった。また、職場PSが低い場合にのみ、情緒の不安定さといった個人特性が、個人のPSに関連することが示された。メタ分析(Frazier et al, 2017 )では、個人と集団のレベルでは結果変数との関連性にはほとんど違いが見られないが、PSの測定レベルを明確に区別できていないことによる可能性が考えられる。

関連する研究:集団の特徴としての心理的安全性の測定:測定項目の主語の違いによる影響の検討
関連する研究テーマ:職場・チームの心理的安全性と人間関係

発表者
今城志保
藤村直子
出典
日本社会心理学会 第66回大会
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