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プレスリリース
会社における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山﨑 淳 以下、当社)は、これまでに実施してきた調査に続き、従業員規模が50名以上の会社に勤める25歳~59歳の正社員7,405名に対し、「働く人のリーダーシップ調査2024」を実施しました。
【リクルートマネジメントソリューションズがこれまでに実施した関連調査】
昨今、人材不足や転職市場の活況などにより人材が流動的になっています。ここでいう流動的とは採用だけに限らず、企業内での流動、多くの場合は異動・配置のことも指します。組織と従業員や上司とメンバー、メンバー同士など、最適なマッチングにより少しでも成果を高めたり、離職を減らしていったりすることの重要性が高まっています。今回は「働く人のリーダーシップ調査」の第1回レポートに続き、「メンバーが今の会社で働き続けること(勤続意向)」と「上司のリーダーシップタイプの関係」に焦点を当てた第2回を公開しました。
【エグゼクティブサマリ】
TOPIC1:メンバーの勤続意向と上司のリーダーシップの関係性 ・上司のリーダーシップタイプが「民主型リーダー」の場合、回答者の勤続意向が最も高かった
TOPIC2: 上司のリーダーシップタイプとメンバーの年代別に見た勤続意向 ・上司が「調和型リーダー」「共創型リーダー」の場合、20代の勤続意向がより高くなる
TOPIC3:リーダーシップは上司とメンバー間で補完しあうもの ・メンバーの勤続意向のスコアが最も高い組み合わせタイプは、メンバーが「共創型リーダー」×上司が「開拓型リーダー」
TOPIC4:メンバーが上司に求めるリーダーシップタイプとは異なるリーダーシップタイプが、メンバーの定着に繋がる可能性も ・メンバーにとって理想のリーダーシップタイプと、直属の上司のリーダーシップタイプは必ずしも一致していなくともよい ・メンバーの勤続意向のスコアが最も高い組み合わせタイプは、メンバーにとって、理想が「人情型リーダー」で、直属の上司が「共創型リーダー」の組み合わせ
*詳細は調査レポート(調査レポート)を参照ください。 本調査では、広く社会に本データを活用いただきたく、回答ローデータおよび各種属性別集計データなどをオープンデータとして開示しています。ご希望の方は、上記調査レポートのリンク先からお問い合わせください。
今回の調査は、前回と同様に当社の管理者適性検査「NMAT」のフレームを用いた簡易版診断として、「自分自身」「理想のリーダー」「直属の上司」のそれぞれについて、AとBのどちらにあてはまるかを以下3点質問し、リーダーシップタイプを分類しました(図表1、図表2)。
<図表1>リーダーシップタイプの指標
<図表2>リーダーシップタイプの簡易版診断
はじめに、上司のリーダーシップタイプ別に「メンバーの勤続意向(今の会社で働き続けたいと思うか)」の平均値(5点満点)の違いを見てみました。
<図表3>上司のタイプ別、メンバーの勤続意向の平均値(1~5点)
続いて、メンバーの年代別に勤続意向の傾向を見ていきます。図表3より、全体でみると「民主型リーダー(調整×変革×理性)」を上司に持つメンバーは、最も勤続意向が高い傾向にあるようですが、年代によってメンバーが定着しやすい上司のリーダーシップタイプが異なる可能性もあります。そこで、年代別かつ上司のリーダーシップタイプ別に回答者の勤続意向の平均値を見たところ、30代以降では近い傾向にあるものの、特に20代では30代以降と比べて異なる傾向にあることがわかりました。そのため図表4では、20代と30代以降で年代を分け、上司のリーダーシップタイプ別に回答者の勤続意向の平均値を比較しています。
一方で、30代以降では上司が「民主型リーダー(調整×変革×理性)」の場合に、メンバーの勤続意向が高くなる傾向にあり、変革意欲や合理的な判断姿勢を上司に求める傾向にあるようです。
<図表4>年代×上司のタイプ別、メンバーの勤続意向の平均値(1~5点)
このように、メンバーの年代によっても、生かせる上司のリーダーシップタイプは異なる可能性があります。人事は社員の異動や配置を考える際、メンバーの年代構成を考えて管理職を配置したり、上司のリーダーシップタイプとの相性を加味した上で、異動や配置先を年代別で検討したりする工夫も必要です。
※年代別のより詳細なデータにご興味がある方は、「働く人のリーダーシップ調査2024 第2回のオープンデータ希望」と明記の上、「お問い合わせ」よりご連絡ください。
次に、メンバーのリーダーシップと上司のリーダーシップタイプの組み合わせと、メンバーの勤続意向の程度を見ています。
<図表5>上司のリーダーシップタイプとメンバーのリーダーシップタイプ別、メンバーの勤続意向の平均値(1~5点)
最後に、メンバーが理想とする上司のリーダーシップタイプと直属の上司のリーダーシップタイプの組み合わせによる、勤続意向の平均値を見ていきます。
勤続意向の平均値が最も高いのは、理想とする上司のリーダーシップタイプが「人情型リーダー(統率×維持×心情)」、直属の上司のリーダーシップタイプが「共創型リーダー(調整×変革×心情)」の場合で、平均値は3.70でした。「人情型リーダー(統率×維持×心情)」と「共創型リーダー(調整×変革×心情)」では、判断のよりどころが「心情」で一致しています。一方で、集団との関わり方と課題に対する姿勢が異なります。具体的には、「周囲を統率しながら現状を維持しようとしてくれる上司を理想と考えるメンバー」と、「周囲と協力しながら変革にチャレンジする姿勢を持っている上司」が組み合わさると、メンバーは現在の会社で働き続けたいと感じる傾向があるようです。これより、メンバーにとって理想のリーダーシップタイプと、直属の上司のリーダーシップタイプは必ずしも一致していなくともよいことが分かります。メンバーが一歩踏み出せない状況であっても、上司がメンバーにチャレンジを促せるようにフォローすることで、メンバーも今の会社でもっと頑張ろうと思えるのかもしれません。
<図表6>理想とする上司のリーダーシップタイプと直属の上司のリーダーシップタイプ別、メンバーの勤続意向の平均値(1~5点)
このように、メンバーは元々の理想とは違ったリーダーシップタイプの上司との関わりを通じて、仕事内容に納得感を持って仕事に取り組めるようになるきっかけを得たり、本人にとって思いがけない成果に繋がったりし、今の会社や職場で働き続けたいと思えるケースもあるようです。メンバーにとって理想のリーダーシップタイプと、直属の上司のリーダーシップタイプは必ずしも一致していなくともよいことが分かります。メンバーのみなさんには、自分の理想とは異なる上司からであっても、何か仕事やキャリア面での気づきやモチベーションを得られるきっかけはないか、考えてみて頂ければ幸いです。
同様に、メンバーにとって理想の上司と直属の上司のリーダーシップタイプが異なったとしても、上司は、自身のリーダーシップを発揮することで、メンバーに新しい気づきを得たり成果を上げたりする機会を提供できるかもしれません。上司のみなさんには、自らのリーダーシップタイプを生かして、メンバーに今の会社や環境で頑張りたいと思えるきっかけを与えられる場面はないか、考えてみて頂ければ幸いです。
【調査担当研究員】株式会社リクルートマネジメントソリューションズHR Analytics & Technology Lab アナリスト小澤 一平(おざわ いっぺい)今回の調査では、当社の管理者適性検査「NMAT」のフレームを用い、「自分自身」「理想のリーダー」「直属の上司」のリーダーシップタイプ、職場やメンバーの特徴、そしてリーダーシップタイプの組み合わせがどのような影響を及ぼしうるのかについて確認しました。第2回レポートでは、社員が今の会社で勤め続けたいと思う度合いを表す「勤続意向」と、上司のリーダーシップの関係に着目しました。ひと昔前は、一般社員にとって社内で管理職を目指すことが当たり前のルートとされていました。近年では、若手~中堅社員を中心に「管理職は罰ゲーム」と囁かれることもあります。その背景には、キャリア観の多様化、そして時代が変わる中で管理職としてやっていく事に対する不安や管理職という仕事の魅力がわかりづらいなどの要因が上げられます。特に時代が変化する中で、管理職として生かせるリーダーシップのあり方は、かつてより多様なものとなりつつあります。当社の管理者適性検査「NMAT」のフレームでは、管理職としてのリーダーシップのタイプが定義されていますが、今回のレポートでは、激動する時代の中で、特定のリーダーシップのあり方に捕らわれることなく、様々なリーダーシップのタイプを有する人が管理職として活躍できる可能性が十分にあるということをお伝えいたします。今回のレポートで見えてきた内容としてまず、今の会社で働き続ける上で、30代以降のメンバーは上司に合理的な判断姿勢を求める傾向にあり、一方で20代のメンバーは、上司に感情に寄り添ったフォローやマネジメントを求める傾向にありました。メンバーの年代によっても、生かせる上司のリーダーシップタイプは異なる可能性がみえてきました。例えば、人事として社員の異動・配置を考える際、メンバーの年代構成を考えて管理職を配置したり、上司のリーダーシップタイプとの相性を加味した上で、年代別でメンバーの異動・配置先を検討したりする工夫も考えられます。そして、メンバーと上司のリーダーシップタイプが異なるようなケースでは、メンバーの勤続意向が高くなるようなケースが確認されました。メンバーと上司の間で、お互いに異なるタイプのリーダーシップ(またはフォロワーシップ)を補完しあおうとすることによって、メンバー自身が今の会社、環境で頑張り続けようと思える可能性が見えてきました。また、メンバーが理想として上司に求めるリーダーシップタイプと直属の上司のリーダーシップタイプが異なるようなケースでも、メンバーの勤続意向が高くなるケースが確認されています。自分の元々の理想リーダーシップタイプとは違った上司との関わりを通じて、メンバー本人にとって思いがけない気づきを得たり、成果創出に繋がったりし、メンバーが今の会社、職場で働き続けたいと思えるケースもあるようです。メンバーにとって理想のリーダーシップタイプと、上司のリーダーシップタイプは必ずしも一致していなくともよいことが分かります。単一のリーダーシップタイプでなければ管理職として活躍できないというような固定観念に捕らわれ、本人や周囲が管理職としての適性を最初から決めつけてしまったり、またはその人本来のリーダーシップタイプを会社として生かせていなかったりするようなケースも、人事課題としてよく上げられております。マネジメントに求められる要素が多様な時代であるからこそ、多様なリーダーシップタイプがマネジメント現場で生かされる可能性を、本レポートを通じて考えてみて頂けたら幸いです。
【調査担当研究員】株式会社リクルートマネジメントソリューションズHR Analytics & Technology Lab アナリスト小澤 一平(おざわ いっぺい)
今回の調査では、当社の管理者適性検査「NMAT」のフレームを用い、「自分自身」「理想のリーダー」「直属の上司」のリーダーシップタイプ、職場やメンバーの特徴、そしてリーダーシップタイプの組み合わせがどのような影響を及ぼしうるのかについて確認しました。第2回レポートでは、社員が今の会社で勤め続けたいと思う度合いを表す「勤続意向」と、上司のリーダーシップの関係に着目しました。
ひと昔前は、一般社員にとって社内で管理職を目指すことが当たり前のルートとされていました。近年では、若手~中堅社員を中心に「管理職は罰ゲーム」と囁かれることもあります。その背景には、キャリア観の多様化、そして時代が変わる中で管理職としてやっていく事に対する不安や管理職という仕事の魅力がわかりづらいなどの要因が上げられます。特に時代が変化する中で、管理職として生かせるリーダーシップのあり方は、かつてより多様なものとなりつつあります。
当社の管理者適性検査「NMAT」のフレームでは、管理職としてのリーダーシップのタイプが定義されていますが、今回のレポートでは、激動する時代の中で、特定のリーダーシップのあり方に捕らわれることなく、様々なリーダーシップのタイプを有する人が管理職として活躍できる可能性が十分にあるということをお伝えいたします。
今回のレポートで見えてきた内容としてまず、今の会社で働き続ける上で、30代以降のメンバーは上司に合理的な判断姿勢を求める傾向にあり、一方で20代のメンバーは、上司に感情に寄り添ったフォローやマネジメントを求める傾向にありました。メンバーの年代によっても、生かせる上司のリーダーシップタイプは異なる可能性がみえてきました。例えば、人事として社員の異動・配置を考える際、メンバーの年代構成を考えて管理職を配置したり、上司のリーダーシップタイプとの相性を加味した上で、年代別でメンバーの異動・配置先を検討したりする工夫も考えられます。
そして、メンバーと上司のリーダーシップタイプが異なるようなケースでは、メンバーの勤続意向が高くなるようなケースが確認されました。メンバーと上司の間で、お互いに異なるタイプのリーダーシップ(またはフォロワーシップ)を補完しあおうとすることによって、メンバー自身が今の会社、環境で頑張り続けようと思える可能性が見えてきました。
また、メンバーが理想として上司に求めるリーダーシップタイプと直属の上司のリーダーシップタイプが異なるようなケースでも、メンバーの勤続意向が高くなるケースが確認されています。自分の元々の理想リーダーシップタイプとは違った上司との関わりを通じて、メンバー本人にとって思いがけない気づきを得たり、成果創出に繋がったりし、メンバーが今の会社、職場で働き続けたいと思えるケースもあるようです。メンバーにとって理想のリーダーシップタイプと、上司のリーダーシップタイプは必ずしも一致していなくともよいことが分かります。
単一のリーダーシップタイプでなければ管理職として活躍できないというような固定観念に捕らわれ、本人や周囲が管理職としての適性を最初から決めつけてしまったり、またはその人本来のリーダーシップタイプを会社として生かせていなかったりするようなケースも、人事課題としてよく上げられております。マネジメントに求められる要素が多様な時代であるからこそ、多様なリーダーシップタイプがマネジメント現場で生かされる可能性を、本レポートを通じて考えてみて頂けたら幸いです。
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