論文

職場の多様性と流動性は誰のためになるか?:組織市民行動に対する専門能力レベル多様性の影響

発表年月
2025年9月

本研究は、職場の「能力レベル多様性(スキルや知識レベルに関するばらつき)」が個人の協力行動(特に組織市民行動;OCB)に与える影響について、メンバーの流動性がどのような調整効果を持つかを検証した。これは、単一企業の人事データを用いた先行研究(仲間・村本, 2023)の知見を、より広範なサンプル(正社員835名)で再検証するものである。
分析の結果、仮説は支持された。つまり、メンバーの流動性が高い職場においてのみ、能力レベル多様性は個人のOCBと正の関連を示した。さらにこの効果は、職務能力レベルが相対的に低い個人において特に顕著であり、職務能力レベルが高い個人では見られなかった。
この結果は、能力レベルの多様性が、メンバーの流動性が高い環境下において、特に職務能力が低いメンバーの協力行動を促進する可能性を示唆している。

発表者
仲間大輔
村本由紀子(東京大学)
出典
産業・組織心理学会 第40回大会
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