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プレスリリース
安定志向が進み、勤務地重視率は過去最高の68.5%に インターンシップ・仕事体験には8割が参加し、就職活動の一歩目として定着 コミュニケーションのカギは「安心感」「自己決定感・納得感」の醸成
企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山﨑 淳 以下、当社)は、2025年度卒として就職活動を行った大学4年生・大学院2年生1,117名に対して「2025年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査」を実施し、その調査結果を公表しました。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズHRアセスメントソリューション統括部 主任研究員飯塚 彩(いいづか あや)2025年卒の就職活動の特徴の1つは、安定志向が強まったことです。学生が仕事に求めること(図表4)の1位は「安定」、2位は「貢献」、3位は「金銭」となりました。「金銭」がトップ3に入ったのは、本設問の聴取を開始した2015年以来のことです。昨今の社会情勢を受け、経済的な安定を求める気持ちが高まった結果と考えられます。また、自分にとって好ましい環境を手放したくないという気持ちの強まりもうかがえました。エントリーの理由(図表5)として、「希望する勤務地で働けそうだから」の選択率は2012年卒以来過去最高となり、入社意向が低下する要因(図表12)として、「入社前に勤務地がわからないこと」「配属部門・職種を選べないこと」「入社後に転勤があること」の選択率も2024年卒よりもさらに強まりました。勤務地重視の志向はコロナ禍にあった2021年卒からみられますが、リモートワーク・リモート授業をはじめとするデジタル化が急速に進んだことの影響と考えられます。2025年卒のもう1つの特徴は、企業選びにあたっての重視事項が、組織の特徴・環境の魅力から、自分に合った仕事・働き方へと明確に移り変わったことです。そのあらわれとして、入社の決め手(図表9)の1位は「やりたい仕事(職種)ができる」で、選択率は過去最高となりました。あわせて、「入社後のキャリアをイメージできる」「労働時間や勤務スタイルが魅力的」といった、働き方に関することがらの選択率も上がっています。2位は「社員や社風が魅力的である」ですが、「やりたい仕事(職種)」の伸びと入れ替わる形で選択率が低下しています。企業理念、経営方針、その会社ならではの強みといった、企業特性に関することがらの選択率も下がっています。こうした傾向を踏まえると、学生にとっては、自分の望む環境を選択できるか、その会社で働き、成長した自分の姿を思い描けるかが、これまで以上に重要になっているといえます。インターンシップ・仕事体験参加後に本選考にエントリーしなかった理由(図表3)としても、4人に1人が「入社後のキャリアイメージがわかなかったから」と回答しています。また、志望度が高まった場面(図表6)としては、企業インターンシップと面接が挙げられています。WEBで得られる情報が増える中、企業との直接的なコミュニケーションのインパクトは増していると考えられます。これからの採用活動においては、企業は様々なコミュニケーション手段の特性を生かしながら入社後をリアルにイメージできるような機会を提供すること、そのうえで、学生の安心感と自分の意思で進路を選択したという感覚を醸成することが求められるといえるでしょう。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズHRアセスメントソリューション統括部 主任研究員飯塚 彩(いいづか あや)
2025年卒の就職活動の特徴の1つは、安定志向が強まったことです。
学生が仕事に求めること(図表4)の1位は「安定」、2位は「貢献」、3位は「金銭」となりました。「金銭」がトップ3に入ったのは、本設問の聴取を開始した2015年以来のことです。昨今の社会情勢を受け、経済的な安定を求める気持ちが高まった結果と考えられます。また、自分にとって好ましい環境を手放したくないという気持ちの強まりもうかがえました。エントリーの理由(図表5)として、「希望する勤務地で働けそうだから」の選択率は2012年卒以来過去最高となり、入社意向が低下する要因(図表12)として、「入社前に勤務地がわからないこと」「配属部門・職種を選べないこと」「入社後に転勤があること」の選択率も2024年卒よりもさらに強まりました。勤務地重視の志向はコロナ禍にあった2021年卒からみられますが、リモートワーク・リモート授業をはじめとするデジタル化が急速に進んだことの影響と考えられます。
2025年卒のもう1つの特徴は、企業選びにあたっての重視事項が、組織の特徴・環境の魅力から、自分に合った仕事・働き方へと明確に移り変わったことです。そのあらわれとして、入社の決め手(図表9)の1位は「やりたい仕事(職種)ができる」で、選択率は過去最高となりました。あわせて、「入社後のキャリアをイメージできる」「労働時間や勤務スタイルが魅力的」といった、働き方に関することがらの選択率も上がっています。2位は「社員や社風が魅力的である」ですが、「やりたい仕事(職種)」の伸びと入れ替わる形で選択率が低下しています。企業理念、経営方針、その会社ならではの強みといった、企業特性に関することがらの選択率も下がっています。
こうした傾向を踏まえると、学生にとっては、自分の望む環境を選択できるか、その会社で働き、成長した自分の姿を思い描けるかが、これまで以上に重要になっているといえます。インターンシップ・仕事体験参加後に本選考にエントリーしなかった理由(図表3)としても、4人に1人が「入社後のキャリアイメージがわかなかったから」と回答しています。また、志望度が高まった場面(図表6)としては、企業インターンシップと面接が挙げられています。WEBで得られる情報が増える中、企業との直接的なコミュニケーションのインパクトは増していると考えられます。これからの採用活動においては、企業は様々なコミュニケーション手段の特性を生かしながら入社後をリアルにイメージできるような機会を提供すること、そのうえで、学生の安心感と自分の意思で進路を選択したという感覚を醸成することが求められるといえるでしょう。
⇒大学3年生の夏インターンシップを皮切りに採用・就職活動は本格化。企業にとっては、こうしたインターンシップで優秀な学生と早期に出会い、本選考にエントリーしてもらうことが重要となっていると考えられる。
<図表1>インターンシップ・仕事体験の参加経験
⇒企業の仕事や社風を知る機会としてだけでなく、本選考まで意識して参加している人もいることがわかる
<図表2>インターンシップ・仕事体験に参加した理由Q:インターンシップ・仕事体験に参加した理由を教えてください。
〈複数回答可〉
<図表3>インターンシップ・仕事体験に参加した会社に本選考で応募しなかった理由Q:インターンシップ・仕事体験に参加した会社で、本選考にエントリーしなかった会社はありますか。ある場合は、その理由についてあてはまるものをすべて教えてください。
⇒まず安定した環境を確保したうえで、仕事を通じて貢献や成長をしていきたいという学生の考えがうかがえる。
<図表4>仕事に求めることQ:あなたの「仕事に対する価値観(仕事にどのようなことを求めるか)」について、特に重要だと思うもの上から3つを選択してください。 ※志望している、または入社予定の企業についてではなく、あなた自身の考えに近いものを回答してください。※あてはまるものがない場合でもお気持ちに近いものをお選びください。
<上位3つまで選択・25卒の選択率降順>
⇒勤務地重視の傾向はコロナ禍を機に強まり、それに合わせて応募時に勤務地確約を掲げる企業が増加したことで、ますます重視されるようになったと考えられる。
<図表5>内(々)定企業に応募したきっかけQ:その会社にエントリーするきっかけとなった事柄は何でしたか。各要素について、あてはまる度合いに最も近いものを1つずつ選んでください。
<「多少影響があった」「直接影響している」の合計・25卒の選択率降順>
⇒学生にとって、面接は自分が一個人としてどのように扱われるか、インターンシップは仕事・社風が自分に合うかどうかを知る場であり、志望度への影響が大きいと考えられる。会社説明会はコロナ禍以来オンラインでの実施が主流となった。学生にとって効率的に情報収集を行えるようになった一方で、インパクトは薄くなっているといえる。
<図表6>内(々)定企業への志望度が最も高まった場面Q:あなたが働く予定の(もしくは働く可能性の最も高い)会社についてお伺いします。その会社のどの選考過程において、最も志望度が高まりましたか。あてはまるものを1つ選択してください。
⇒採用・就職活動の早期化が進む中、選考が早く進むことは学生に「自分を求めている」と感じさせる一方、十分に理解されているという感覚を持ちにくくさせている可能性がある。
<図表7>就職活動中の志望度向上に特に影響が大きかったことQ:以下の事柄のうち、応募企業への志望度向上に特に影響が大きかったものを上位3つまでお答えください。※あてはまるものがない場合でもお気持ちに近いものをお選びください
⇒就職/採用活動上のステークホルダーとして「家族」の影響力が増しているといえる。
<図表8>就職活動中の相談相手Q:就職活動の悩みについて相談したり、アドバイスを得たいとき、誰に相談しますか。
<複数選択可>
⇒企業の特性そのものよりも、望ましい働き方ができそうかが最終的な決め手になっているといえる。
<図表9>内(々)定受諾の最終的な理由Q:あなたが入社を決めた企業の内(々)定を承諾した理由」はどのようなことでしたか。以下のそれぞれについて、あてはまると思うものを最大3つまで選択してください。また、なかでも最も重要だったものを1つ選んでください。※グラフは「もっとも重要だったもの」
⇒多くの学生は自己分析を通じて自身の軸を発見するものの、明確なこだわりを持たずに活動する学生も一定数いることがわかった。
<図表10>就職活動の「軸」が明確になった時期Q:「就活の軸」(就職先を決断するにあたって大事にしたいこと)はいつごろ明確になりましたか。
<図表11>内(々)定受諾後に感じている不安Q:働く予定の会社を決めたあとに不安を感じたことはありますか。ある場合は、その理由についてあてはまるものをすべて教えてください。
⇒いわゆる「ガチャ」、すなわち「不確定な要素」はできるだけ避けたい、自分で選びたいという心情が強く表れていると考えられる。
<図表12>入社意向に影響する要素Q:興味のある企業や求人が以下の各項目にあてはまる場合、入社意向にどれくらい影響があるかお答えください。
調査対象:2024年度卒として就職活動を行った大学4年生・大学院2年生 調査期間: 2024年6~7月調査方法:インターネット調査調査人数:1,117名
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2025年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査
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