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プレスリリース
企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山﨑 淳 以下、当社)は、2024年3~4月に全国で開催した公開型新入社員導入研修受講者741名(調査1)、2024年1~4月に開催したインハウス型新入社員導入研修およびWEB学習プログラム受講者1,775名(調査2)に対し、「新入社員意識調査2024」を実施し、その調査結果を公表しました。
【エグゼクティブサマリ】
株式会社リクルートマネジメントソリューションズHRDサービス推進部 トレーニングプログラム開発グループ 研究員関根 彩夏(せきね あやか)近年、どのような企業でも新入社員育成の難度は高まっています。先輩・上司も正解を持てないビジネス環境の中で、どのようにすれば新入社員の成長を後押しし、共によりよい未来をつくっていけるでしょうか。新入社員の近年の特徴として、「働くうえで大切にしたいこと」においては、確実性(任せられた仕事を確実に進めること)と挑戦性(失敗を恐れずにどんどん挑戦する)の二極化の傾向がうかがえます。背景として、昨今、インターンシップに参加したり、起業や副業をしたりする学生も増え、早い段階から社会人経験や仕事経験を積んでいる新入社員にとっては、挑戦がより身近になってきています。一方、調べても分からないことや経験していないことに対しては、失敗への不安から、確実性を求める新入社員もいます。このように、学生時代に「選択してきた経験」や、どんな情報に触れてきたかという「アクセスする情報」の違いを背景として、新入社員の大切にしたいことは多様化していると言えます。また、「どのような特徴を持つ職場で働きたいか」においては、「お互いに助けあう」と「遠慮をせずに意見を言いあえる」が両立された職場を望む割合が増えています。この2つの特徴をあわせると、新人・若手社員は、まさに「心理的安全性」が担保された環境を求めていると言えます。個性尊重の時流を背景として、学生時代から、一人ひとりの個性を認め「誰でも自分自身の意見を発信できること」が当たり前の環境を経験しており、「言いたいことが言える」ことの重要性を感じていると考えられます。このような特徴を持つ新入社員とともに働くうえでは、「多様な背景をもつ誰もが、言いたいことを言える」オープンな環境がキーとなると考えられます。環境をつくるための初動のタイミングでは、組織の中で「ゆるく」×「ひろく」進めていくことがポイントになります。正解のないビジネス環境の中で、「何となくでも出してみる」「失敗しても大丈夫」という「ゆるさ」から生まれる安心感や、「異なる価値観を取り入れてみる」「いろんな人と繋がって進めてみる」という「ひろさ」から生まれる新しい視点が、オープンな環境をつくり、行動の第一歩の後押しになると考えます。新入社員が徐々にオープンに発信・行動できるようになった段階以降は、言うべきことを伝え、本人の成長課題についてのフィードバックも伝えていくと効果的です。このようなアプローチは、新入社員に限らず、同じく複雑で正解の持てない職場環境に身を置くすべてのメンバーにとってもヒントになると考えます。新入社員、先輩・上司の垣根を越えて、共によりよい未来を目指していけることを、切に願っています。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズHRDサービス推進部 トレーニングプログラム開発グループ 研究員関根 彩夏(せきね あやか)
近年、どのような企業でも新入社員育成の難度は高まっています。先輩・上司も正解を持てないビジネス環境の中で、どのようにすれば新入社員の成長を後押しし、共によりよい未来をつくっていけるでしょうか。
新入社員の近年の特徴として、「働くうえで大切にしたいこと」においては、確実性(任せられた仕事を確実に進めること)と挑戦性(失敗を恐れずにどんどん挑戦する)の二極化の傾向がうかがえます。
背景として、昨今、インターンシップに参加したり、起業や副業をしたりする学生も増え、早い段階から社会人経験や仕事経験を積んでいる新入社員にとっては、挑戦がより身近になってきています。一方、調べても分からないことや経験していないことに対しては、失敗への不安から、確実性を求める新入社員もいます。このように、学生時代に「選択してきた経験」や、どんな情報に触れてきたかという「アクセスする情報」の違いを背景として、新入社員の大切にしたいことは多様化していると言えます。
また、「どのような特徴を持つ職場で働きたいか」においては、「お互いに助けあう」と「遠慮をせずに意見を言いあえる」が両立された職場を望む割合が増えています。この2つの特徴をあわせると、新人・若手社員は、まさに「心理的安全性」が担保された環境を求めていると言えます。
個性尊重の時流を背景として、学生時代から、一人ひとりの個性を認め「誰でも自分自身の意見を発信できること」が当たり前の環境を経験しており、「言いたいことが言える」ことの重要性を感じていると考えられます。
このような特徴を持つ新入社員とともに働くうえでは、「多様な背景をもつ誰もが、言いたいことを言える」オープンな環境がキーとなると考えられます。環境をつくるための初動のタイミングでは、組織の中で「ゆるく」×「ひろく」進めていくことがポイントになります。
正解のないビジネス環境の中で、「何となくでも出してみる」「失敗しても大丈夫」という「ゆるさ」から生まれる安心感や、「異なる価値観を取り入れてみる」「いろんな人と繋がって進めてみる」という「ひろさ」から生まれる新しい視点が、オープンな環境をつくり、行動の第一歩の後押しになると考えます。
新入社員が徐々にオープンに発信・行動できるようになった段階以降は、言うべきことを伝え、本人の成長課題についてのフィードバックも伝えていくと効果的です。
このようなアプローチは、新入社員に限らず、同じく複雑で正解の持てない職場環境に身を置くすべてのメンバーにとってもヒントになると考えます。新入社員、先輩・上司の垣根を越えて、共によりよい未来を目指していけることを、切に願っています。
⇒2019年の調査以降「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」は連続1位だったが、6年ぶりに「社会人としてのルール・マナーを身につけること」が1位となった。完全なるコロナ禍明けの時期になり、出社での仕事や対面コミュニケーションへの回帰が起こったことで、マナーを求められる場面を想起することが増えたことが影響していると考えられる。
⇒注目すべきは、「任せられた仕事を確実に進めること」「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」という一見相反する2つの項目が、調査以来、最高値になった点である。この2つの項目を選択した対象者の回答傾向を見たところ、両方ではなくいずれかを選択している割合が高く、「確実性」を大事にする層と、「挑戦性」を大事にする層との二極化の傾向がうかがえた。
「任せられたことを確実に進めること」は例年高い選択率であり、昨今の新人・若手社員の特徴である失敗への不安や恐れから、調べても分からないことや経験していないことに対しては、確実な動き方を求める意識は強いと考えられる。
他方、インターネットやSNS上で、企業でのインターンシップや起業・副業の情報に触れる機会も増え、早い段階から社会人経験や仕事経験を積む層も出てきており、挑戦がより身近になってきていると考えられる。
また、様々な情報が手に入る環境に身を置いているため、うまくいかないやり方や自分自身にフィットしないやり方を続けてやりきるよりも、他の選択肢を調べて・見つけることが当たり前の感覚は強まっており「何があってもあきらめずにやりきること」の選択率は低くなっていると考えられる。
(最大3つまでの複数選択/n=738)
(単一選択/n=1,775)
(最大3つまでの複数選択/n=1,775)
⇒「お互いに助けあう」「遠慮をせずに意見を言いあえる」が1位・2位となった。「お互いに助けあう」は調査開始以来、不動の1位だが、「遠慮をせずに意見を言いあえる」は調査開始以来、最高値での2位となった。この2つの項目を選択した対象者の回答傾向を見たところ、いずれかではなくどちらも選択している割合が高く、 「助けあう」と「遠慮をせずに言う」の両立を求めている傾向がうかがえた。
「お互いに助け合あう」は例年高い選択率である。教育の変化としてアクティブラーニングが取り入れられるようになり、グループワークやディスカッションなど、周囲のメンバーと共に課題に取り組む経験を通じて、助けあいながら成果をだす重要性を感じていると考えられる。
他方、個性尊重の時流を背景として、学生時代から、一人ひとりの個性を認め「誰でも自分自身の意見を発信できること」が当たり前の環境を経験しており、「言いたいことが言える」ことの重要性も感じていると考えられる。
この2つの特徴をあわせると、新人・若手社員はまさに「心理的安全性」*が担保された環境を求めていると言える。
*「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態(エドモンドソン 1999)」のこと。居心地のよい場ということではなく、言いにくいことも含めて遠慮せず言い合えることがポイントとされる。
(最大3つまでの複数選択/n=740)
〈最大3つまでの複数選択/n=738〉
⇒例年通り1位・2位の「成長」「貢献」に加えて、注目すべきは「専門性」が上位にきたことである。
背景として、昨今の生成AIの台頭やジョブ型雇用の潮流、また、転職が “当たり前”の労働環境の中で、「自分自身の市場価値を上げたい」「将来性のある職業で専門性をつけたい」という、危機感をともなう意識の高まりがあると考えられる。
また、学校教育の中でも早い段階から自分自身のキャリアを考える機会が設けられていたり、インターネットやSNS上でもキャリアアップに役立つ情報が入手できたりする中で、自分自身の興味・関心領域を広げ、その中から専門的に学びたい事を選択する機会に触れてきていることも背景にあると考えられる。
(2つまで複数選択/n=1,775)
(単一回答/n=693)
(2つまで複数選択/n=722)
調査日
2024年3~4月
対象者
弊社の公開型新入社員導入研修「8つの基本行動」の受講者741名
平均年齢
21.7歳
最終学歴
大卒以上84.5%
300名未満企業比率
66.5%
調査目的
今年の新入社員の意識・特徴を把握する
調査方法
質問紙調査
質問形式
期待や不安などに関する6つの質問について、選択肢のうち、あてはまるものを最大3つまで選択する管理職・雇用・就職先での勤続意向などに関する質問について、リッカート式で選択する
2024年1~4月
弊社のインハウス型新入社員導入研修およびWEB学習プログラム(学習管理システム利用)の受講者1,775名
17.6%
インターネット調査
仕事をするうえで重視するキーワードについて、選択肢のうち、あてはまるものを最大2つまで選択する新入社員のうちに身につけるべきことについて、選択肢のうち、特に重要だと考えるものを1つ選択する仕事をするうえで不安に思っていることについて、選択肢のうち、あてはまるものを最大3つまで選択する
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