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プレスリリース
学生の志向は“安定”דアグレッシブ”、「自分がその会社で働くイメージを持てるか」が決め手に
企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山﨑 淳 以下、当社)は、2025年度卒(以下、「2026年卒」)として就職活動を行った大学4年生・大学院2年生1,008名に対して「2026年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査」を実施し、その調査結果を公表しました。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズHRアセスメントソリューション統括部 主任研究員飯塚 彩(いいづか あや)今回の調査では、2026年卒の就職活動の特徴を捉えるとともに、過去10年~12年の変化に注目しました。以下、特徴的だった結果について解説します。二面性のある価値観が鮮明に:“安心感”重視の一方で、“アグレッシブさ”を求める気持ちも安定志向の強さは、働く上で重視したい社風(図表1)として「理想に向かう情熱と意欲」「厳しさと競争を通じた成長」といったハードな組織は好まれず、「相互の思いやりとあたたかさ」や「オープンなコミュニケーション」、「強い連帯感とチームワーク」のある『協調/親和』的な組織が支持されていること、仕事に求めること(図表2)として「安定」が過去10年で最高の選択率で1位となっていることにあらわれています。また、企業への応募のきっかけ(図表3)として「勤務地」を選択する人が7割を超え、内(々)定受諾の最終的な決め手(図表4)にも「勤務地」「福利厚生」「業績の安定性」が上位に並ぶなど、就職活動全体を通じて働く環境・条件を慎重に検討しようという姿勢がみられます。経年でも「企業の規模が大きい」「労働時間や勤務スタイルに魅力がある」「入社後のキャリアを具体的にイメージできる」を決め手とする人が増えており、働く環境に関する不確定要素を排除しようとする考えが強まっているといえます。他方、仕事に求めること(図表2)の推移をみると、近年「チャレンジ」「理想」「競争」の選択率が上昇傾向にあります。単に安心できる環境に身を置くだけでなく、その中で思い切った行動をとり、成長していきたいという心情が垣間見えます。企業選びの基準が変化:応募のきっかけは多様に、決め手は“自分が働くイメージを持てるか”に価値観の変化とともに、学生の企業選びの観点も変化しています。まず、応募のきっかけ(図表3)としては、2022年卒以降、「知人から勧められた、教えてもらった」「斡旋会社やリクルーターで紹介を受けた」「先輩社員から紹介を受けた」の選択率が増加傾向にあります。要因として考えられるのは、パンデミック下でのデジタル化の進行と企業の採用意欲の高まりが相まって、学生へのアプローチ方法が増えたことです。さらに、採用活動が早期化する中、学生側もやみくもに就職活動を行うのでなく、自分に合う企業と早く出会いたいという考えを強めていることも関係していると考えられます。また、内(々)定受諾の決め手(図表4)としては、前述のとおり、自分自身の働く姿をイメージでき、安心できるかが重視される傾向にあります。対して、企業の魅力といえる「社員や社風」「企業理念やビジョン」「製品・サービス」といった要素は選ばれにくくなっています。中でも選択率の低下が顕著なのは「社員や社風が魅力的である」ですが、学生が就職活動中に知りたかったこと(図表5)に関する設問をみると、「人間関係・職場の雰囲気」は上位に挙がっています。また、「人間関係・職場の雰囲気」を実際に知ることができた人の割合は昨年と比べて上昇しており、企業としても力を入れて発信していることがうかがえます。これらの調査結果から推測されるのは、「社員や社風」は最終的な決め手から、早い段階で学生を惹きつけ、企業を絞り込む要素へと変化しているということです。背景には、インターンシップなどのキャリア形成支援プログラムの普及や、広報手段の多様化の影響があると考えられます。本調査結果が、企業の採用活動のあり方や、学生とのよりよいコミュニケーションを考える手がかりとなれば幸いです。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズHRアセスメントソリューション統括部 主任研究員飯塚 彩(いいづか あや)
今回の調査では、2026年卒の就職活動の特徴を捉えるとともに、過去10年~12年の変化に注目しました。以下、特徴的だった結果について解説します。
二面性のある価値観が鮮明に:“安心感”重視の一方で、“アグレッシブさ”を求める気持ちも安定志向の強さは、働く上で重視したい社風(図表1)として「理想に向かう情熱と意欲」「厳しさと競争を通じた成長」といったハードな組織は好まれず、「相互の思いやりとあたたかさ」や「オープンなコミュニケーション」、「強い連帯感とチームワーク」のある『協調/親和』的な組織が支持されていること、仕事に求めること(図表2)として「安定」が過去10年で最高の選択率で1位となっていることにあらわれています。また、企業への応募のきっかけ(図表3)として「勤務地」を選択する人が7割を超え、内(々)定受諾の最終的な決め手(図表4)にも「勤務地」「福利厚生」「業績の安定性」が上位に並ぶなど、就職活動全体を通じて働く環境・条件を慎重に検討しようという姿勢がみられます。経年でも「企業の規模が大きい」「労働時間や勤務スタイルに魅力がある」「入社後のキャリアを具体的にイメージできる」を決め手とする人が増えており、働く環境に関する不確定要素を排除しようとする考えが強まっているといえます。
他方、仕事に求めること(図表2)の推移をみると、近年「チャレンジ」「理想」「競争」の選択率が上昇傾向にあります。単に安心できる環境に身を置くだけでなく、その中で思い切った行動をとり、成長していきたいという心情が垣間見えます。
企業選びの基準が変化:応募のきっかけは多様に、決め手は“自分が働くイメージを持てるか”に価値観の変化とともに、学生の企業選びの観点も変化しています。まず、応募のきっかけ(図表3)としては、2022年卒以降、「知人から勧められた、教えてもらった」「斡旋会社やリクルーターで紹介を受けた」「先輩社員から紹介を受けた」の選択率が増加傾向にあります。要因として考えられるのは、パンデミック下でのデジタル化の進行と企業の採用意欲の高まりが相まって、学生へのアプローチ方法が増えたことです。さらに、採用活動が早期化する中、学生側もやみくもに就職活動を行うのでなく、自分に合う企業と早く出会いたいという考えを強めていることも関係していると考えられます。また、内(々)定受諾の決め手(図表4)としては、前述のとおり、自分自身の働く姿をイメージでき、安心できるかが重視される傾向にあります。対して、企業の魅力といえる「社員や社風」「企業理念やビジョン」「製品・サービス」といった要素は選ばれにくくなっています。中でも選択率の低下が顕著なのは「社員や社風が魅力的である」ですが、学生が就職活動中に知りたかったこと(図表5)に関する設問をみると、「人間関係・職場の雰囲気」は上位に挙がっています。また、「人間関係・職場の雰囲気」を実際に知ることができた人の割合は昨年と比べて上昇しており、企業としても力を入れて発信していることがうかがえます。これらの調査結果から推測されるのは、「社員や社風」は最終的な決め手から、早い段階で学生を惹きつけ、企業を絞り込む要素へと変化しているということです。背景には、インターンシップなどのキャリア形成支援プログラムの普及や、広報手段の多様化の影響があると考えられます。
本調査結果が、企業の採用活動のあり方や、学生とのよりよいコミュニケーションを考える手がかりとなれば幸いです。
⇒オープンであたたかい、安心感のある環境を求める傾向が強まっていることがうかがえる。
<図表1>働く上で重視したい社風Q:あなたは、どのような組織風土・文化のもとで働きたいと思いますか。各要素について、重視している度合いに最も近いものを1つ選んでください。(上位3つまで選択)
⇒まず安定した環境を確保することが前提。その上で、貢献・成長し、思い切ってチャレンジし理想や競争を追い求めたいという気持ちがある。
<図表2>仕事に求めることQ:あなたの「仕事に対する価値観(仕事にどのようなことを求めるか)」について、特に重要だと思うもの上から3つを選択してください。 ※志望している、または入社予定の企業についてではなく、あなた自身の考えに近いものを回答してください。※あてはまるものがない場合でもお気持ちに近いものをお選びください。
選択肢詳細
<図表3>学生が企業に応募するきっかけQ:あなたが働く予定の(もしくは働く可能性の最も高い)会社についてお伺いします。その会社の本選考にエントリーするきっかけとなった事柄は何でしたか。各要素について、あてはまる度合いに最も近いものを1つずつ選んでください。 (「多少影響があった」「直接影響している」の合計・2026年卒の選択率降順)
⇒自分がその会社で働くイメージを具体的に持てること、不確定要素が少ないことが最終的な決め手となる傾向がある。
<図表4>学生の内(々)定受諾の最終的な決め手Q:あなたが入社を決めた企業の内(々)定を承諾した理由はどのようなことでしたか。以下のそれぞれについて、あてはまると思うものを最大3つまで選択してください。また、なかでも最も重要だったものを1つ選んでください。(グラフは「もっとも重要だったもの」)
⇒インターンシップなどのキャリア形成支援プログラムの普及、広報手段の多様化などの影響によって、学生がリアルな情報を得やすくなっているものと考えられる。
<図表5>学生が知りたかった情報・知ることができた情報Q:以下の各項目のうち、就職活動中に強く知りたいと思っている(思っていた)情報を教えてください。
調査名:2026年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査調査対象: 2025年度卒として就職活動を行った大学4年生・大学院2年生調査期間:2025年6月27日~7月16日調査方法:インターネット調査調査人数:1,008名
プレスリリースは、PDFでもご覧いただけます。
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