「一般社員の会社・職場・仕事に関する意識
調査」の結果第1弾を発表

2023年11月15日

企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山崎 淳 以下、当社)は、企業に勤める一般社員、主任・係長クラスの正社員3,708名に対し、「一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査」を実施し、「働く人のモチベーション・リソース(モチベーションの源泉)」や「モチベーション・リソースが仕事へのエンゲージメントに与える影響」など、調査結果から見える実態について公表しました。

 

 

【今回の調査について】

図表1:今回の調査の全体像

産業構造の変化や、少子高齢化、個人のキャリアに対する意識の変化など、企業の経営環境が大きく変わってきている昨今、変化が激しい時代に企業価値を持続的に向上させるのは人材であるという考えから、「人的資本経営」が注目されています。

当社は、これまで60年以上に渡って人々の内面(性格、志向、価値観など)を測定してきた技術を活かし、人材、つまり働く人々の意識・特性を多角的に捉えるプロジェクトを発足しました。本調査はプロジェクト最初の取り組みとして実施したもので、分析結果は2回(今回と次回)に分けて発表します。

本リリースでは、図表1のように「モチベーション・リソース」「現在の仕事の特徴」「両者のフィット度」「フィット度と仕事へのエンゲージメントの関係」の順に分析結果をまとめました。

【エグゼクティブサマリ】

TOPIC1:働く上でのモチベーションの源泉「モチベーション・リソース」

  • 働く上で「安定(53%)」と「金銭(41%)」を重視している人が多い
  • 年代が上がるにつれて「創造」「専門性」の出現率は高くなり、「親和」「承認」「注目」の出現率は低くなる傾向がある
  • 転職回数が増えるにつれて、「専門性」「安定」の出現率が高くなる傾向がある

TOPIC2:モチベーション・リソースと仕事の関係性

  • 現在の仕事の特徴は「専門性」「貢献」「親和」「安定」の値が高い
  • 35.5%もの人がモチベーション・リソーストップ3と現在の仕事の特徴がフィットしていない
  • トップ3が全てフィットしているのは、20代(18.8%)が最も多く、フィット数0個は、40代(39.0%)・50代(37.7%)で多い

TOPIC3:モチベーション・リソースと仕事のフィット数が「仕事へのエンゲージメント」に与える影響

  • フィット数が増えるにしたがって、仕事へのエンゲージメント得点が高くなる

*詳細は調査レポートを参照ください。

 

 

1. 調査のポイント

 

【TOPIC1:働く上でのモチベーションの源泉「モチベーション・リソース」】

モチベーション・リソースとは、働く上で重視するものや実現したいこと(志向・欲求)を当社が先行研究やデータをもとに「統率・挑戦・創造・専門性・貢献・親和・安定・金銭・承認・注目」という10種類に分類したものです(図表2)。

 

図表2 10種類のモチベーション・リソース

※本項目は、弊社「SPI3 for Employees」の志向・仕事観のアセスメント項目を利用しています。

 

● 働く上で「安定(53%)と「金銭(41%)」を重視している人が多い(図表3)。

「安定(53%)」と「金銭(41%)」の出現率が高いことが明らかになりました。特に、「安定」の出現率が高く、今回の回答者は安定的な職場や処遇のもと、落ち着いた環境で働けることを重視している人が多いことが分かります。

 

図表3 モチベーション・リソーストップ3の出現率(回答者全体)

※本項目は、弊社「SPI3 for Employees」の志向・仕事観のアセスメント項目を利用しています。

 

● 年代が上がるにつれて「創造」「専門性」の出現率は高くなり、「親和」「承認」「注目」の出現率は低くなる傾向がある(図表4)

年代別にモチベーション・リソースの出現率を見たところ、年代が上がるにつれて「創造」「専門性」の出現率は高くなり、「親和」「承認」「注目」の出現率は低くなる傾向がありました。育った時代の違いなどもあるため一概には言えませんが、年齢を重ねるにつれて周囲からの承認・注目や、周囲との一体感を求める気持ちが減り、その代わりに自分なりの専門性を確立してクリエイティビティを発揮したいといった欲求が強くなると推察されます。

 

図表4 モチベーション・リソーストップ3の出現率(年代別)

 

● 転職回数が増えるにつれて、「専門性」「安定」の出現率が高くなる傾向がある(図表5)

さらに細かく分析をしたところ、転職経験回数の違いによる傾向も確認されました。

転職回数が増えるにつれて、「専門性」「安定」の出現率が高くなる傾向があります。特に、「専門性」は、4回以上転職している方々の出現率が跳ね上がっており、転職を重ねる人ほどプロフェッショナル志向が高いことが明らかになりました。

 

図表5 モチベーション・リソーストップ3の出現率(転職回数別)

 

【TOPIC2:モチベーション・リソースと仕事の関係性】

続いて、モチベーション・リソースと現在の仕事の関係性を明らかにしました。今回の調査では、「あなたが現在担当している仕事が、図表6の項目にどれくらい当てはまると感じるか」について、5段階で回答を求めました。(1:あてはまらない〜5:あてはまる)

 

図表6 現在の仕事の特徴に関する質問項目

 

● 現在の仕事の特徴は「専門性」「貢献」「親和」「安定」の値が高い(図表7)

図表7 現在の仕事の特徴(回答者全体の平均値)

 

● 35.5%もの人がモチベーション・リソーストップ3と現在の仕事がフィットしていない(図表8・9)

次に、10個ある「モチベーション・リソース」のうちそれぞれが選択したトップ3の項目と「現在の仕事の特徴」をかけあわせた分析を行いました。図表8のように、個人のモチベーション・リソーストップ3が、現在の仕事の特徴に「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と答えている場合は、「フィット数1」と数えます。(フィット数の最多は3、最少は0)

 

図表8 フィット数の定義と例

 

・その結果、35.5%もの人が自分のモチベーション・リソーストップ3と現在の仕事がフィットしていない(フィット数0個)ことが明らかになりました。

 

図表9 モチベーション・リソースと現在の仕事の特徴のフィット数(回答者全体)

 

● トップ3が全てフィットしているのは、20代(18.8%)が最も多く、フィット数0個は、40代(39.0%)・50代(37.7%)で多い(図表10)

年代別で見たところ、フィット数3個は20代(18.8%)が最も多く、フィット数0個は40代(39.0%)・50代(37.7%)という結果が明らかになりました。

このデータから推測できるのは、40・50代は、一般的に職業上のキャリアの観点から難度の高い仕事を任されるなど会社内における期待が高くなっている年代であると想定されます。また、ライフキャリアの観点から、育児・教育・介護など家族のための支出が増えたり、健康面でも少しずつ衰えが見えてきたりする年代でもあります。そうした様々な制約も相まって、ご自身のモチベーション・リソースの実現よりも優先すべきことが多いのではないかと考えられます。

 

図表10 モチベーション・リソースと現在の仕事の特徴のフィット数の内訳(年代別)

 

【TOPIC3:モチベーション・リソースと仕事のフィット数が「仕事へのエンゲージメント」に与える影響】

「エンゲージメント」という言葉は、世の中では様々な文脈で使われる言葉ですが、今回の調査においては、「仕事へのエンゲージメント」≒「一人ひとりが、仕事の意義を理解し、日々の仕事にやりがいや成長・貢献実感をもって働いていること」と定義しており、具体的には以下の4項目を用いています。

 

図表11 仕事へのエンゲージメントに関する質問項目

※本項目は、弊社アセスメントサービス「エンゲージメント・ドライブ」より項目を抜粋して利用しています。

※各項目に対して、5段階で回答を求めています(1:あてはまらない〜5:あてはまる)

 

● フィット数が増えるにしたがって、仕事へのエンゲージメント得点が高くなる(図表12)

この結果(図表12)は、モチベーション・リソースにフィットした仕事に従事していると、仕事へのエンゲージメントが高まる可能性があることを示唆しています。

ただし、本調査の全体傾向からは、特定のモチベーション・リソースと仕事へのエンゲージメントの関係性は見られませんでした。つまり、モチベーション・リソースが仕事へのエンゲージメントを高めているのではなく、モチベーション・リソースと現在の仕事のフィット度がエンゲージメントを高めているのではないかと考えられます。

 

図表12 モチベーション・リソースと仕事のフィット数ごとの仕事へのエンゲージメント得点

 

 

2. 調査担当研究員のコメント

仁田光彦の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
研究本部 測定技術研究所
所長 仁田 光彦

今回は、「働く人のモチベーション」に着目した調査を実施しました。

企業組織にとっても、働く人にとっても、「生き生きと働く」ことが重要になってきている昨今、働く人がどのようなことにモチベーションを感じているのかを把握することは、益々大事になってきているのではないでしょうか。

調査の結果、見えてきたことは、「働く個人の中にも様々なモチベーションの源泉があること」、「自身のモチベーションの源泉と現在の仕事との間にフィット感を持てているほど、やりがいをもって働けていること」でした。

当たり前のように見える結果ですが、働く個人の多様さと働く個人一人ひとりに目を向けることの大切さに気付かされるような結果だったと感じています。

企業としては、このように多様な個々の特徴に向き合いながら、仕事のアサインメントやマネジメント場面において適切な采配や声掛けを行うことで、働く個人のやりがいを引き出し、組織としての持続的な成長につなげることができるのではないでしょうか。

また、働く個人としては、自身の特徴に向き合いながら、今の仕事やご自身のキャリアについて捉えなおすことで、仕事のやりがいを再発見できるかもしれません。

改めて、今回の調査を通じて、こうした企業と働く個人の相互作用によって「生き生きと働く」ことに近づいていけるのではないかと感じました。

今後も働く個人や組織、個と組織の関係について調査研究を深めることで、個と組織の益々の発展に寄与できれば幸いと考えています。

 

 

3. 調査概要

 

※調査実施は株式会社マクロミルに委託

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