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プレスリリース
約6割の学生が「誠実さ」を感じると選考参加意欲があがると回答した一方、 AI面接では「誠実さ」を感じにくいなどの課題も
企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山﨑淳 以下、当社)は、就職活動を経験し内定が出た797名の大学生・大学院生に対し、「日本の新卒採用選考プロセスにおける採用CX(Candidate Experience)調査」を実施し、「各選考プロセスに対する反応」や「各選考プロセスが選考参加意欲に与える影響」など、調査結果から見える実態について公表しました。
採用CXとは、直訳すると候補者による採用選考プロセスでの体験を指し、広義にはそれを通じて候補者が抱く選考プロセスや企業への印象のことも言います。この概念は、企業が候補者に好意的な印象を与えているかを測る観点として使われ、欧米では10年以上前から注目を集めてきました。採用CXは近年日本でも関心が高まっている一方で、応募前から内定後に至る選考プロセス全体に影響するため、その評価観点や測定方法は多岐にわたっているのが現状です。また昨今日本では、候補者が選考に参加しやすくなるよう設計された採用ツールが増えてきているものの、採用CX向上という観点で捉えた場合、果たして参加しやすさだけを追求することは適切なのか、といった疑問もでてきています。
そこで本調査では参加しやすさを含む評価観点を6つ用意し、新卒採用選考プロセスと、選考への参加意欲・姿勢との関係を調査しました。具体的には、新卒採用場面の各選考プロセスにおける候補者の体験が候補者からの評価にどのようにつながるのか、各選考プロセスへの候補者の評価が選考への参加意欲や姿勢にどのように影響するのか、という点について調査しました。
図表1:本調査の概観
なお各選考プロセスへの候補者の評価観点について、本調査では以下のように定義します。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ技術開発統括部測定技術研究所 研究員甲斐 江里日本でも人口減少などの社会変化を背景に、採用CX(候補者体験/Candidate Experience)の向上が重視されるようになってきました。海外ではこの概念が既に定着し、多くの研究や調査が行われていますが、日本の新卒採用選考プロセスは海外とはやや異なる特徴があるため、海外の調査結果をそのまま適用できるとは限りません。こうした背景を踏まえ、日本の新卒採用選考場面において候補者が重視する評価観点を明らかにしたく、本調査を実施しました。結果として、候補者にとって6つの評価観点(妥当性~参加しやすさ)は、総じて重要であるものの、特に「誠実さ」の観点が面接経験と相まって選考への参加意欲や選考辞退に大きく影響を与えることなど、重要な示唆を得ることが出来ました。今後、選考プロセスでの採用CX向上の必要性がさらに高まることが予想される中、本調査結果が活用されることで、企業と候補者双方にとってより良い選考体験の構築につながることを期待します。株式会社リクルートマネジメントソリューションズ技術開発統括部測定技術研究所 マネジャー 渡辺 かおり本調査は、新卒採用において重要性が増している学生の反応を、採用CXという概念で捉え、選考プロセスとの関係性を整理してきました。選考プロセスといえば、エントリーシートと適性検査と集団面接、個人面接が主流でしたが、昨今のIT技術の発展により、動画選考やAI面接等、選択肢が増えてきている状況です。本調査では、複数の選考プロセスの比較とともに、面接に関する掘り下げもしています。結果の中では、候補者から見た時に、個人面接の評価が高いことや、AI面接は他の面接方法と比べて現時点では候補者に受け入れられにくい側面があることなどに触れています。一方で、今回の結果をもってAI面接が駄目だと論じることは早計でしょう。選考プロセスも候補者の反応も、時代にあわせて変化していくものです。そのような変化の中で、効率化できるところはどこか。対面だからこそできることはなにか。そして変わらず大事にすべきことはなにか。重要なのは、自社の採用成功と学生のより良い反応・状態を両立するために、採用選考で自社が何を重視するのかを考え、検証していくことにあるでしょう。今回の調査が、学生の目線から採用選考プロセスを捉え直すきっかけになれば幸いです。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ技術開発統括部測定技術研究所 研究員甲斐 江里
日本でも人口減少などの社会変化を背景に、採用CX(候補者体験/Candidate Experience)の向上が重視されるようになってきました。海外ではこの概念が既に定着し、多くの研究や調査が行われていますが、日本の新卒採用選考プロセスは海外とはやや異なる特徴があるため、海外の調査結果をそのまま適用できるとは限りません。こうした背景を踏まえ、日本の新卒採用選考場面において候補者が重視する評価観点を明らかにしたく、本調査を実施しました。
結果として、候補者にとって6つの評価観点(妥当性~参加しやすさ)は、総じて重要であるものの、特に「誠実さ」の観点が面接経験と相まって選考への参加意欲や選考辞退に大きく影響を与えることなど、重要な示唆を得ることが出来ました。今後、選考プロセスでの採用CX向上の必要性がさらに高まることが予想される中、本調査結果が活用されることで、企業と候補者双方にとってより良い選考体験の構築につながることを期待します。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ技術開発統括部測定技術研究所 マネジャー 渡辺 かおり
本調査は、新卒採用において重要性が増している学生の反応を、採用CXという概念で捉え、選考プロセスとの関係性を整理してきました。選考プロセスといえば、エントリーシートと適性検査と集団面接、個人面接が主流でしたが、昨今のIT技術の発展により、動画選考やAI面接等、選択肢が増えてきている状況です。本調査では、複数の選考プロセスの比較とともに、面接に関する掘り下げもしています。結果の中では、候補者から見た時に、個人面接の評価が高いことや、AI面接は他の面接方法と比べて現時点では候補者に受け入れられにくい側面があることなどに触れています。
一方で、今回の結果をもってAI面接が駄目だと論じることは早計でしょう。選考プロセスも候補者の反応も、時代にあわせて変化していくものです。そのような変化の中で、効率化できるところはどこか。対面だからこそできることはなにか。そして変わらず大事にすべきことはなにか。重要なのは、自社の採用成功と学生のより良い反応・状態を両立するために、採用選考で自社が何を重視するのかを考え、検証していくことにあるでしょう。今回の調査が、学生の目線から採用選考プロセスを捉え直すきっかけになれば幸いです。
⇒「誠実さ」を感じたエピソードの内容は丁寧な声がけや温かい対応などであり、面接官の些細な行動が候補者からの印象に大きく影響し得ることがうかがえる。また、評価観点が「満たされている」と感じた場合は6観点全てが選考参加意欲に対し50%以上の肯定的な影響を示しており、いずれも重要ではあるものの、「誠実さ」「実力発揮感」の強化や「公平性」の維持が特に重要と考えられる。
図表2 各選考プロセスの候補者の評価が選考参加意欲に与える影響Q:もし本選考で企業に対して以下のような印象を受けた場合、その企業への選考参加意欲はどの程度変わりますか。(「1 :選考参加意欲は大きく下がる/2 :選考参加意欲はやや下がる/3 :選考参加意欲は変わらない/4 :選考参加意欲はやや上がる/5 :選考参加意欲は大きく上がる」の5肢から単一選択)(N=797)※1&2を「損なわれた場合に選考参加意欲が下がる」、4&5を「感じられた場合に選考参加意欲が上がる」としてまとめて集計
図表3:「誠実さ」が選考参加意欲に影響した具体的なエピソードQ:選考ステップ中に、実際に企業への選考参加意欲が上がった/下がった経験として印象に残っている具体的なエピソードを、各場面(面接など)を明示のうえで1~3つご記入ください。(前問で選考参加意欲が下がった/上がった経験があると回答した人の回答から「誠実さ」に関連するエピソードをピックアップ)
⇒やはり候補者と面接官が密に対話できる個人面接という状況が、候補者に高い評価を与える要因となっていると考えられる。個人面接における「誠実さ」の項目は「企業が学生にしっかり向き合ってくれている」となっており、対人接点場面の評価が高くなりやすい。また「実力発揮感」の項目は「自分らしさを発揮できる」となっており、選考プロセスにおいて自己表現の自由度の高さが評価に反映されやすいと考えられる。個人面接は、対人接点及び自己表現の自由度の高さという双方の要素を兼ね備えており、総じて評価が高くなったと推察される。
図表4:各選考プロセスへの候補者の評価(公平性・実力発揮感・誠実さのみ抜粋)Q:本選考中の各選考ステップについて、以下の観点(公平性・実力発揮感・誠実さ)がどの程度あると感じましたか。当てはまる程度をお答えください。(各選考プロセスについて、前問で「経験したことがある」と回答した人の有効回答を分類)(「1 :全くそう感じなかった/2 :あまりそう感じなかった/3 :どちらとも言えない/4 :ややそう感じた/5 :とてもそう感じた」の5肢から単一選択した結果の平均値を算出)※公平性・実力発揮感・誠実さのみを抜粋した結果を表示
⇒候補者が面接官に対し「誠実さ」に欠けると感じた場合、単に選考参加意欲が低下するだけでなく選考辞退に至るケースがあると想定できる。また、「誠実さ」の欠如は企業の採用成果に直接的な影響を及ぼす重要な要因となり得ると考えられる。
図表5:面接実施後に選考辞退した理由Q:面接の後に選考辞退した理由として、当てはまるものを全て選択してください。(前問で「面接がきっかけで面接実施後に選考辞退を経験したことがある」と回答した人の有効回答を分類/複数回答可)
⇒昨今、AI面接が普及しつつあると言われているものの、実際に経験した候補者はまだ3割に満たないのが現状のようだ。
図表6:AI面接経験Q:新卒採用選考において、AIが介在した面接を受けた経験はありますか。(「経験がない/経験がある」の2肢から単一選択)(N=797)
⇒AI面接は、企業側の業務負荷の軽減や面接評価基準の均一化を目的に導入されるケースが多いものの、現時点では他の面接方法と比べて候補者に受け入れられにくいことが示される。
図表7:各選考プロセスへの候補者の評価(面接の選考プロセスのみ抜粋) Q:本選考中の各選考ステップについて、以下の観点(妥当感・公平性・実力発揮感・納得感・誠実さ・参加しやすさ)がどの程度あると感じましたか。当てはまる程度をお答えください。(「1 :全くそう感じなかった/2 :あまりそう感じなかった/3 :どちらとも言えない/4 :ややそう感じた/5 :とてもそう感じた」の5肢から単一選択した結果の平均値を算出)※面接の選考プロセスについてのみ抜粋した結果を表示
⇒人による面接をAI面接に置き換えることにより、上記観点での候補者からの評価が低下するリスクがあると考えられる。
図表8:AI面接に対する感想 Q:もしAIが介在した面接を受ける場合、以下はどの程度感じると思いますか(受けたとき、以下はどのように感じましたか)。人による面接と比較してお答えください。(N=797)※AI面接経験に応じて設問文を出し分け
⇒実際にAI面接を受けることによって、AI面接に対する評価が事前の印象から変化する可能性がある。ただし、もともとAI面接に対して評価が低い候補者は、AI面接実施前に選考を辞退する可能性もあるため、さらなる解釈には追加の調査が必要と考えられる。
図表9:AI面接経験有無によるAI面接への評価の違いQ:もしAIが介在した面接を受ける場合、以下はどの程度感じると思いますか(受けたとき、以下はどのように感じましたか)。人による面接と比較してお答えください。(N=797)※AI面接経験に応じて設問文を出し分け※AI面接経験の有無ごとに「人による面接よりも、感じやすい」の選択率を算出
⇒通常、適性検査は外部の適性検査サービスが利用され、企業独自に開発されることは稀であるため、面接のように企業が「誠実さ」を直接的に伝えるのは難しいと考えられる。そのため、候補者は「実力発揮感」や「公平性」を通して、企業が自身の実力を公正に評価する姿勢や環境を整えていると感じ、結果的に「誠実さ」も評価されていると解釈できる。
⇒近年、短時間で受検できる適性検査なども増えつつあるが、「参加しやすさ」や「妥当感」は他の評価観点ほど重視されていないことから短時間で受検できる検査が必ずしも候補者からの評価向上に直結しないことが示唆される。
図表10:適性検査に対して候補者が重視する評価観点Q:本選考において、適性検査には以下の要素がどの程度重要だと思いますか。(「1 :全く重要ではない/2 :あまり重要ではない/3 :どちらとも言えない/4 :やや重要である/5 :とても重要である」の5肢から単一選択した結果の平均値)(N=797)
⇒「参加しやすさ」については、「事前準備が手間かどうか」という観点で、選考プロセス実施前に候補者から評価されるケースが多いため、図表10で示されたように他の観点よりも重視されにくい場合でも候補者の負担を軽減する工夫が求められると言える。
図表11:適性検査実施前に選考辞退した理由Q:適性検査を受検する前に選考辞退した理由として、当てはまるものを全て選択してください。(各実施形態での適性検査実施前の選考辞退経験者/複数回答可)
【方法】Web調査会社を用いたインターネット調査(2024年8月) 【対象】以下全てを経験したことのある大学生もしくは大学院生 ・自由応募による就職活動 ・内定獲得 ・個人面接、適性検査(能力・性格とも)の選考プロセス 【サンプル数】797名 【属性】
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