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プレスリリース
気分転換・交流に満足している人は組織市民行動(組織のためになる役割外行動) とエンゲージメントが高い。気分転換の満足度は後ろめたさによって阻害され、 その背景には職場の余裕のなさ・冷ややかさ・流動性の高さがある
企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:山崎淳以下、当社)は、808名の正社員に対し、「仕事における余白・遊びに関する実態調査」を実施し、「業務時間内の気分転換や業務時間内外の社内交流の頻度」や「気分転換等の後ろめたさ」など、調査結果から見える実態について公表しました。
【エグゼクティブサマリ】
*詳細は調査レポートを参照ください。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所研究員 大庭 りり子本調査では、まず、仕事における余白・遊びを気分転換・交流・制度と大まかに分類し、実施頻度や有無の実態と満足度、それらの関係性を見た。そののち、気分転換・交流の満足度が高いと、組織市民行動やエンゲージメントなどの観点から、組織にも良い影響をもたらし得ることを把握した。そして、気分転換の満足度は後ろめたさによって阻害される可能性があること、その背景の一例には職場の余裕のなさ・冷ややかさ・流動性の高さがあるということを確認できた。「余白・遊びのある職場」と耳にしたときの印象は、人によって大きく異なるだろう。本人にとっては良いものだが、他者や組織にとっては悪いものだという考え方も少なくないかもしれない。しかし、必ずしもそうではなく、余白・遊びをもった柔軟な個と組織であろうとすることが、さまざまな可能性につながることを示せていれば嬉しい。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所研究員 大庭 りり子
本調査では、まず、仕事における余白・遊びを気分転換・交流・制度と大まかに分類し、実施頻度や有無の実態と満足度、それらの関係性を見た。そののち、気分転換・交流の満足度が高いと、組織市民行動やエンゲージメントなどの観点から、組織にも良い影響をもたらし得ることを把握した。
そして、気分転換の満足度は後ろめたさによって阻害される可能性があること、その背景の一例には職場の余裕のなさ・冷ややかさ・流動性の高さがあるということを確認できた。「余白・遊びのある職場」と耳にしたときの印象は、人によって大きく異なるだろう。本人にとっては良いものだが、他者や組織にとっては悪いものだという考え方も少なくないかもしれない。しかし、必ずしもそうではなく、余白・遊びをもった柔軟な個と組織であろうとすることが、さまざまな可能性につながることを示せていれば嬉しい。
● 6割以上が業務実施場所を離れずにできる気分転換を1週間に複数回実施、4割以上が食事会や飲み会といった社内交流を1年に複数回実施。活用しているかは問わず各種制度が職場に存在していると満足度が高くなる(図表1)
→ 仕事の内容や進め方に余裕をもたせるような諸制度は、働く時間、場所といったほとんどの人に関連することがらを除いて、有無の周知が行きわたっていない場合が一定数あるのではないか。言うまでもなく、存在を知っていなければ活用はできないため、活用率に課題を抱えている組織においては、その可能性に留意されたい。
→ 気分転換の具体例として示した7項目は、すべて気分転換の満足度につながり得るものだといえる。
→ すなわち、交流の具体例として示した4項目のうち、「食事会や飲み会」は、交流の満足度に必ずしも結びつかないと解釈できる。「社員旅行」「運動会・ゴルフコンペなどのスポーツ大会」「クラブ活動・部活動」に関しては、実施率が5~10%と低かったことを考慮すると、それらは意欲的な人だけが参加するような場だからこそ参加した人の満足度は高く、他方、「食事会や飲み会」は意欲の高低にかかわらず参加せざるを得ない場合が少なくないため参加しても満足度が向上するとは限らないのではないか。組織に「遊び」を増やそうと試みる際、交流の場を設けることは比較的安易な手段として想起されるが、義務的な参加は満足度につながらない可能性がある点には注意を払いたい。
<単一回答/n=808/%>
→ 自身が活用していなくても、職場に各種制度が存在していると、存在しない場合と比べて満足度が高いと考えられる。仮に現状の活用率が高くなかったとしても、必要とされていないと判断し廃止してしまうのではなく、多角的に検討しながら、制度の設置・維持に努めていきたい。
● 気分転換に関しては、自身が希望したタイミングでできる点に満足している声が多い。一方交流に関しては、実施しないことに満足する声が多い。(図表2)
→ 気分転換・交流とは異なり、基本的に制度は個人の意思で設置・活用できない。だからこそ、合理的な理由がないまま活用の機会が一部の従業員に限定されることが不満につながるのだろう。
● 半数が気分転換、交流の双方に満足している(図表3)
図表3 気分転換の満足度と交流の満足度のクロス集計
● 気分転換・交流に満足している人は組織市民行動(OCB)とエンゲージメントが高い傾向に(図表4)
→ 気分転換に満足していない人は、同僚や上司を援助したり、個人的関心をもったりしていない傾向にあるといえる。また、気分転換に満足していない人は、エンゲージメントが低い傾向にあるといえる。
→ 気分転換は、個人のみに資するような印象を抱きがちである。しかし、これらをふまえると、構成員が満足に気分転換することは、組織にとってもポジティブな影響があるといえるのではないか。本人が満足に気分転換できているからこそ、同僚や上司に援助行動を行ったり、組織に愛着をもって働くことができたりする可能性がある。そして、それは組織としてのパフォーマンスの向上や離職の防止などにつながり得るのである。
<単一回答/n=808>
● 約4割の人が気分転換等に後ろめたさを感じている(図表5)
● 気分転換に後ろめたさを感じる理由は、同僚に配慮する声が多い。一方、後ろめたさを感じない理由は、長期的な組織への貢献を見据えるような声が多い(図表6)
→ 気分転換の満足度が高い人はエンゲージメントも高い傾向にあることは納得感が高い。長期的な組織への貢献を見据えているからこそ、自身が気分転換をすることに否定的にならずにいられることが推測できる。
● 後ろめたさを感じつつ気分転換を実施すると満足度が低くなる(図表7)
→ 気分転換を多く実施している場合も、後ろめたさを感じつつ実施していると、満足度は低い。ともすれば、OCBやエンゲージメントという形で組織に良い影響を与える可能性も低くなるため、後ろめたさは本人にとっても組織にとっても良いものではないといえるだろう。このことから、組織としては、単に気分転換を認めるだけでなく、後ろめたさを感じさせないような職場づくりが必要だと考えられる。
● 余裕のない職場・冷ややかな職場・流動性の高い職場で働いている人は、業務時間内の気分転換等に後ろめたさを感じている傾向にある(図表8)
→ 余裕のなさや冷ややかさについては職場単位で対処できる部分があるだろう。それらの緩和を通じて、気分転換等に対する後ろめたさを感じさせないようにすることが、気分転換の満足度の向上につながると考えられる。そして、異動や採用などで人が流動すると、関係性を新たに構築する必要などから後ろめたさを感じやすくなる可能性も留意しておきたい。
調査は、株式会社マクロミルに委託
プレスリリースは、PDFでもご覧いただけます。
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