自ら学び、成長する組織をつくるための中堅リーダー育成

プロジェクト概要

背景・課題

これから会社として成長していくためには、従来の業務遂行型の組織ではなく、自ら学び成長する自律的組織をつくらなければいけないという危機感を抱いていました。

検討プロセス・実行施策

中堅リーダーとしてのマインドを育て、実際に職場で起こっている問題を上司や同僚・後輩を巻き込みながら解決することを研修課題としました。

成果・今後の取り組み

社員の間に自ら学ぶ姿勢が生まれました。また、部下の成長には、上司が積極的に関わるべきであるという考え方も浸透しつつあります。

背景・課題

自ら考え行動する、自律成長型の社員を育成したい

当社は創業以来120年余、日本の食を見つめてきた総合食品メーカーです。明治22年に開始したしょうゆの醸造を皮切りに、つゆ・たれなどの液体調味料、袋詰液体スープ、レトルトの「釜めしの素」など、国内で先駆けとなる商品を次々と生み出してきました。2000年代に入り、簡便かつ本格的なタイフードもラインナップに加わり、日本の食生活シーンに新しい風を吹き込んでいます。また、これまで培ってきた当社技術、特に世界トップクラスのレトルト殺菌・加工の技術は多くの大手食品メーカーに高く評価いただき、OEMビジネスとしても大きな事業の柱になっています。しかし、現状に満足することなく、ビジネスをいかに広げていくかを模索しているところです。

これからの企業成長に向け、技術や商材などには強みがあるものの、私は一つの危機感を抱いていました。これまでは経営層からの指示を受け、それを社員が完遂するというかたちで事業を拡大してきましたが、これからは社員自らが課題を見つけそれを解決しようとする能動的な動きが不可欠です。しかしながら、社員教育は個々の職場・社員のやり方に依存するOJTの延長のようなかたちでしかなく、Off-JTの集合研修も新入社員と管理職が対象の研修しか行っておりませんでした。そのため、なかなか他部署と関わる機会がありませんでした。また、基本的に部門ごとで業務が完結しており、横の連携も生まれにくい環境でもありました。そのため、人材教育の在り方を見つめ直すべきだと考えたのです。

人材教育におけるゴールは、自ら学び成長する組織風土を醸成すること。人の意見に耳を傾ける素直さは当社の社員の武器ですが、それに加えて、自ら学び行動する姿勢があればもっと成長できるはず。中堅層の社員を対象者に据えたのは、彼・彼女らの成長がその上司や同僚、後輩に影響を与えることになり、ひいては組織の活性化につながるという期待があったからです。研修パートナーには、20年以上お付き合いをしているリクルートを選定しました。営業担当もトレーナーも当社への深い理解があるので、ふさわしい施策を提案してくれるのではないかと考えたのです。

研修のプログラム設計にあたっては、次の2点を強く要望しました。まずは、社員に対して自主的に学ぶ姿勢を身につけてもらうこと。そして、職場に戻ってすぐに使える内容にすることです。研修を、研修の場だけで完結させないことが最も重要だと考えました。

ソリューションプランナーの声

真の課題を考え抜き、解決に向けてとことんお付き合いします
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 担当ソリューションプランナー


ご提案にあたっては、三林専務はじめ多くの方々にお話を伺いました。全社方針や事業戦略、かたや現場の管理職・中堅・若手社員の現状など。社史も拝読しました。今回のテーマは、そんなやりとりの中から、「ヤマモリ様らしい」成長を遂げた時の組織状態を考えた末のものです。中堅社員の皆様がリーダーとして、一つ上のステージの職場課題解決に向けて周囲を巻き込みながら挑戦する。負荷は大きいですが、受講された皆様にはこの10ヵ月にわたる取り組みを一つの節目として、会社の将来を担っていっていただきたいと願っています。
「研修の成果」も、知恵と手間をかければ個人の成長、組織の成長、文化の醸成と、大きなものになります。大変なことですが、それでも「やる」と覚悟を決めていただいた三林専務のご期待にお応えすべく、こちらも心をともにして、とことんお付き合いしています。

検討プロセス・実行施策

受講者20名と事前面談 研修にかける想いを伝える

リクルートとの打ち合わせを重ね、管理職手前の中堅リーダー層を対象にする「リーダー研修」を実施することになりました。研修は、まずは受け身の姿勢から脱却し、次にリーダーとしての役割をふまえた職場の課題解決を行い、最終的に周囲との関わりの中で自分らしい影響力を高めるという、3STEPの流れ。具体的には、仕事を通じてなりたい自分を想い描くための「キャリアデザイン研修」、中堅社員に求められる役割と行動を知るための「中堅ステップアップ研修」、対象者一人ひとりのリーダーシップを引き出す「リーダーシップ開発研修」です。研修と研修の間にトレーナーとの個人面談や上司面談、職場ミーティングを挟みながら、職場実践を後押ししました。そして次の研修で実践での学びを確認し、職場の前向きな変化や自分自身の成長を実感して進んでいけるように組み立てました。

人材育成は重要課題であり、研修のために会社としても投資するわけですから、やるからには最大の成果をあげたいと考えました。そこで受講者の意欲が研修の成果に影響すると考えた私は、20名の受講者の一人ひとりと面談する機会をつくり、研修にかける想いを伝えました。実際に話をしてみると、研修に対して意欲的な社員が多かったので安心しましたね。ちなみに、面談は、普段話す機会がなかった社員の考えを知る機会として、私自身にとっても有意義な時間になりました。

上司や同僚・後輩を巻き込まなければ解決できない課題を設定する

実施プログラムの中で特に効果的だったのは、受講者だけで解決できる課題を与えないことと、必ず上司が課題解決を支援するように促すことです。具体的には、受講者が所属する部門で起こっている問題を、自分で見つけてそれを解決してもらうという内容ですが、対象となるのは職場全体に関わる問題ですから、上司や職場の同僚・後輩との協働は欠かせません。また上司には、受講後の面談と成果報告へのコメントを依頼しました。上司のコメントにはすべて、私たち人事担当者と研修トレーナーが目を通し、部下への期待やそのための支援が、より明確に受講者に伝わるようブラッシュアップをお願いするなど、徹底的に要望。こうして、上司が部下をフォローせざるをえない状況を作りました。研修の成果を最大限に引き出すためには、上司の意識を変えることも重要だったのです。

トレーナーの声

上司と部下が一体となって感動を呼んだ成果共有会
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 担当トレーナー


「MUST」の強い仕事の中で、中堅リーダーとしていかに「WILL」を思い描けるか、実行できるかがテーマでした。ちょっとした変化でも承認することと、上司を徹底的に巻き込むことを意識して、研修全体を企画・運営しました。なぜならば、この研修は中堅リーダーを対象とした「リーダー研修」ですが、それと同時に、受講者上司の「マネジメント実践研修」にもしたいと考えたからです。そのために研修の合間の上司・部下間のコミュニケーションの状態の確認と、フィードバックを大切にしました。
総仕上げの「成果共有会」では、受講者とその上司の両者が、役員・社員の方々へ成果を発表をしました。最初の研修では人前でうまく話をできなかった受講者が、自分の成果や思いを堂々とスピーチ。また、その部下の成長の過程を、まるで自分のことのように嬉しそうにスピーチする上司の姿に、私も涙しました。上司と部下が一体となって研修をやりきったその姿に、自然と会場内から惜しみない拍手が起こり、会社が一体感を感じる、感動的な場になりました。

成果・今後の取り組み

上司の関わりの深度が、部下の成長に大きく影響する

研修も今年で4年目になりますが、回を重ねてわかったのは、上司の関わりの濃淡が、部下の成長を大きく左右するということです。そのため今年からは、研修をはじめる前に、各事業所から上司に集まってもらい、研修の趣旨を説明するガイダンスを実施。昨年の研修に参加した受講者の上司から、この研修を受講した部下がどのように成長したのか、部下の成長のために自分がどのように関わったのかを話してもらい、「この研修の効果」と「上司が関わることの重要性」の理解を促しました。また、研修最終回に行う成果共有会では、上司が受講者をどのように支援したのかを報告してもらうことに。これらは受講者だけでなく、上司の意識を変え、成長を促すきっかけになっています。

例えば、業務を進めるうえで、「人が足りない」というのは、上司がよく口にするセリフですが、これは単純な人数が足りないのではなく、「信頼して仕事を任せられる人が足りない」という意味だったりします。しかしながら、現在はそういう状況下に置かれたとき「信頼できる部下がいないなら、自分が育てなければならない」ということに気づいた上司も出てきました。

自学自習の精神、他部署との連携が生まれ、理想的な育成サイクルもできつつある

当然ながら、受講者にも望ましい変化が見られます。例えば、研修プログラムの中には、課題図書のレポートもあるのですが、そのおかげもあり、中には「社会人は本を読むのが当たり前」という意識が芽生えはじめた社員もいます。シンプルですが、これは大きな変化です。また、集合研修を通じて普段出会うことの少ない社員同士がコミュニケーションをとることによって、例えば、桑名工場の社員が松阪工場の社員に気軽に問い合わせをするという具合に、日常業務における横の連携も強まってきました。工場間の事例共有はもちろんのこと、製造系の社員がサプライチェーンの全体像を理解し、また営業系社員は製造の現場を知るきっかけにもなっています。

研修を重ねるごとに少しずつ組織も活性化しており、上司は部下の成長に積極的に関わるべきという考えも浸透しつつあります。本施策初年度の受講者だった中堅リーダーが、今度は部下を送りだす上司になるというように、人材育成における理想的なサイクルも、これからはじまろうとしているところです。継続は力なり。これからも育成施策の改善を重ねつつ、学びを定着させていきたいですね。

受講者上司の声

10ヵ月という期間で部下が目に見えて成長していくのがわかった
ヤマモリ株式会社 生産本部 桑名工場 品質技術部 品質技術課長 三宅 崇文 様


研修を受講した部下は、以前はどちらかというと受身で、自分の仕事に無意識に線引きをしていたと思います。しかし、研修の中で「上司と部下の距離を縮める」という実務に関連する課題を自ら設定し、現場を巻き込みながら解決したことが、本人の自信につながったのでしょう。研修後は課長である私と部下の間をつなぐ役割を自らかってでて、私の指示をわかりやすく部下に展開してくれたり、「このメンバーはこうしたら伸びるのではないか」と、私一人では考えつかない新たな視点でメンバー育成への提案をしてくれました。おかげで今は私と部下の距離が縮まっただけでなく、本当に組織が活性化したと思います。
この研修のポイントは、上司のサポートがないと受講者が課題を解決できないところ。例えば研修後の成果共有会で、上司と部下の信頼関係が築かれているところと、そうでないところでは、目に見えて成長度合いが異なるのがわかるのです。ですからある意味、今回の研修は私たち上司の成長を促すためのものだったと言えるかもしれません。

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