INTERVIEW
ときに波風が立つほど、
楽しく真剣に意見を
戦わせる場を創る
- 戸並 清志
- トレーナー開始年齢43歳
- 前職
- 人材開発・情報出版業の大規模組織を主導
- CAREER
-
1987年、人材開発・情報出版企業へ入社。
以来21年間、住宅・不動産情報誌の発行に関わる部署に所属。営業職、マネジャー、編集長などを経て、2005年から3年間、300人規模の組織長として雇用期間限定社員を中心とした組織運営や従業員のモチベーション向上の試行錯誤を繰り返した。その後、リクルートマネジメントソリューションズのトレーナーとなる。担当の多い分野は、マネジメント強化、課題解決の実践、キャリア開発など。
01この仕事との出会い
悩む部下が自分との対話で元気になることが嬉しい自分は、トレーナー向きだと感じました
前職で、任されていた組織の今後の目処が立ち、マネジメントの役割を十分に果たせたのではと感じていたことと、社会人生活20年目を迎え、ワークスタイルを含めた次のキャリアを考え始めていたこともあり、知人の人材紹介会社のキャリアカウンセラーに転職相談をしたのがきっかけです。
そこで「トレーナーが合っているのでは?」と言われ、RMSのトレーナーに転身した先輩方に相談する中で、選択肢の一つとして考えてみよう、と選考を受けました。
ただ、トレーナーが自分の進む道だと確信したのは、選考に合格した後、ある起業家の方とお話をしていたときでした。そこで明確になったのは、私は、自ら事業を立ち上げることにあまり興味がなく、逆に悩んでいる部下がいたら東京から広島まで飛んでいってしまうほど部下たちとの対話が好きで、部下が自分と話すことで一歩前に進めたり、元気になったりすることに喜びを感じるマネジャーだったということです。それに気づいたとき、やはり私はトレーナーの方が向いているのだと強く感じたのを覚えています。
02そして今思うこと
研修の場は、職場そのもの。
ときに波風が立つほど、楽しく真剣に意見を戦わせる場を創るのが、私の仕事です。
自分ならトレーナーなど簡単にできるだろう、とたかを括っていたのですが、大いなる勘違いでした。トレーナー養成プログラムが開始してすぐ、鼻をへし折られました。例えば、一見簡易的な模擬研修を行う機会がありました。時間をかけて綿密に準備したつもりでしたが、実際にやってみると、抜け漏れがいくつも出てしまいました。グループワークの様子を観察していても、運営手順で頭が一杯で、状況に合わせた受講者とのやりとりや各セッションをつなぐ運営が全くできませんでした。また、長いマネジャー生活で、周囲が世話を焼いてくれることに慣れ切っていたことも大きな問題でした。自らメモを取る習慣などを一から取り戻す必要がありました。自分がこれほどできないとは思ってもおらず、先輩や同期に指摘されては落ち込む日々が続きました。始める前は、養成期間がやけに長いと感じていましたが、私がトレーナーとしてやっていけると思えたのは、結局、養成開始から1年近く経った頃。まったく長くありませんでした。
「研修の場は、職場そのもの。研修のトレーナーは、その職場のマネジャー」。これが、私がトレーニングをする上で大事にしている考えです。いきいきとした職場は、皆が楽しく働くだけでなく、ときに激しく意見を戦わせ、波風を立てることを恐れないもの。毎回そのような研修現場を創ろうと目指しています。例えば、先日行った全6回のマネジメント研修では、最終日に受講者同士がこだわって議論せず曖昧に受け流す場面が生まれてしまいました。私は、受講者全員に、このまま研修が終わっても良いのかを問いました。このまま終われば受講者にとっても私にとってもこの6回は無意味だったと言わざるを得ない、互いに向き合い刺激し合わなければ何も生まれない。そう思うと、この研修を受講者が新たな一歩を自ら踏み出すきっかけにしてもらうには、あえて波風を立ててでも場を止め、その場での在りようを問わずにはいられませんでした。
このような仕事ですから、前職でマネジャーとしてバブル崩壊前後の環境変化、悩ましい人材配置や人事考課で葛藤した経験、若手から大ベテランまで多様な部下のマネジメントに苦しんだ経験、また組織長として、顧客・業界・社会の視点から深くかつ広く物事を考え、部下と事業の将来を見据えつつ、ときには現場とぶつかるような施策を意思決定し、やり抜いた経験も、前職での経験すべてが活きています。受講者の目線に立って一緒に悩み解消のヒントを模索することができます。「そういえば、私もこんなことがありました。」と。おかげさまで、お客様には「RMSは、本を読めば済む借り物の知識を教えるのではなく、『うちの会社をよくするために』という一点でこだわりを持って関わってくれる」と言ってもらえます。ちょっと大げさですが誇らしく思う瞬間です。
日々、様々なお客様と出会いがあることはこの仕事の面白さです。それは新たな視点や刺激を得るチャンスでもあります。お客様ごとに業界は違い、人・組織の課題も多岐に渡るため、日頃からアンテナを張って自身を磨き続ける必要があります。前職の仲間たちにその話をすると、「その歳で自分を磨き続けられることが羨ましい」とよく言われますが、あらためてこの仕事を選んで良かったなと思っています。
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