ボス充マネジャー#2 武田氏

ボス充マネジャー#2 武田氏 2018/2/23

少年野球のコーチと人事の仕事は
互いに良い影響がありそうです

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株式会社サイバーエージェント 人事本部長 武田丈宏氏
「ボス充」マネジャーとは、具体的にはいったいどのような方を指すのか、疑問に思う方も多いはずです。この連載記事では、ボス充マネジャーのモデルをご紹介していきます。第2回は、最近、少年野球のコーチを始めたサイバーエージェントの人事本部長・武田丈宏氏をご紹介します。

仕事にも良い緊張感を持って臨めている気がします

 私は2003年にサイバーエージェントに入社し、2015年からは人事本部長を務めています。給与・制度・人事システム・働き方改革・社内イベント・部活動など、採用・育成以外の人事領域全般のマネジメントをカバーするポジションです。一方で、今回の本題である少年野球のコーチは、2017年の夏に始めたばかりです。私は、小学校から大学まで一貫して野球部に所属しており、社会人になってからも、ほぼずっと草野球を続けてきました。前職の銀行時代には、毎週末、草野球の試合に参加しているという時期もありました。サイバーエージェントに入社し、関東に転勤になってからは、年間10試合くらいのペースで出場しています。

 野球好きの私の影響もあって、あるとき、長男が少年野球を始めました。翌年には、次男も同じ野球チームに加わりました。最初のうちは、その送り迎えや練習見学だけでしたが、2017年に3泊4日の合宿を手伝ったことがきっかけになり、小学6年生チームを教えることになったのです。コーチを引き受けたのは、彼らが野球を楽しみながら、一生懸命練習する姿を見ているうちに、もっと勝たせてやりたい、少しでも手助けしたいという気持ちが強くなってきたからです。また、子どもたちの方も、私に「もっと教えてほしい」と求めてきます。現在は、土日の朝から夕方まで、ずっとチームの練習を見ています。

 休日に身体を動かすという意味では、コーチになる前後で、実はそれほど変わっていません。これまでも、休日は草野球をしていないときも、スポーツジムに行くなどして身体を動かす時間が割と長いタイプだったからです。ただ、以前と大きく違うのは、「子どもたちのために」運動していることです。誰かのために活動するというのは、やはり少し背筋が伸びるもの。まだたった半年ですから、コーチを始める前後の違いは明らかではありませんが、休日のコーチ業で背筋が伸びている分だけ、仕事にも良い緊張感を持って臨めている気がします。

少年野球にビジネスマネジメントの技術を活用できるでしょう

 一方、最近では、仕事のスキルをコーチに生かせるのではないかと考えています。これはまだ考えている段階で、実際に行うのはこれからですが、目標設定やフィードバックといったビジネスマネジメントの基礎を実践するだけで、彼らはもっと勝てるようになるだろう、というのが私の推測です。というのは、私はこれまでに彼らの試合を数十試合見てきましたが、小学生の段階では能力差がまださほど大きくないため、1人のスター選手の存在よりも、ミスやフォアボールなどが試合を決めることの方がずっと多かったのです。つまり、彼らにとっては、ミスやフォアボールを減らすことが最も必要なのです。

 だからこそ、「フォアボールを減らす」「エラーを減らす」「走塁を上達させる」といった具体的な目標を定めて、その目標を達成するためにどんな練習をして、どんな力を身につける必要があるのかを一人ひとりにフィードバックしてあげれば、彼らの成績はきっと伸びると思うのです。みんながワクワクするような目標を決め、その目標を達成できたらステッカーをあげるといった工夫をしながら、私自身もコーチを楽しめたらと思っています。また、サイバーエージェントはルールを作るのではなく、風土を変えることを重視する会社。少年野球チームも、同じように良い風土をつくっていけたらと思っています。

今後は少年野球の経験が仕事に生きることもあるのでは

 私のスポーツ好きはすでに社内で知られていますから、少年野球のコーチを始めたことは、部下や周囲にとって意外ではないと思います。実際、そのことがきっかけで、部下や周囲とのコミュニケーションが何か変わったといったことはありません。とはいえ、少なくともマイナスにはなっていませんし、今後は、少年野球の経験が仕事に生きることもあるのではないかと思っています。子どもたちに教えることで、私自身が気づくこと、発見することがきっとたくさんあるだろうと思うのです。

武田さんの部下・元(はじめ)さんのコメント

武田さんの社外活動(草野球、少年野球のコーチ)をどのように思っていますか。

 すごく素敵なことだと思っています。

武田さんの社外活動は、会社の仕事に役に立っていると思いますか。

 思います。

どのように役に立っていると思いますか。

 仕事以外のことで自分を磨くことで、人間としての深みがより一層出てきたように感じます。仕事をA面とすると、それとは別の「B面力」を高めているのではないでしょうか。また、子どもたちを指導することで、メッセージの伝え方が磨かれて、コミュニケーションの幅がより広がっているようにも感じます。それから、仕事は大変な部分も多いので、野球でリフレッシュしているのではないかとも思いますね。体力的には疲れがあるのかもしれませんが(笑)。

元さん自身は、何か社外活動を行っていますか。

 社外活動というほどではないのですが、小さいときからサッカーをやってきたこともあって、週末や業務終了後、会社の同僚やパパ友たちとサッカーやフットサルをしています。また、息子もサッカーをしているため、最近はさらに熱が入ってきて、サッカー関連書籍を読みあさっています。サッカーのコーチを始めようかなとも考えています。

社外活動の充実と社内活動の充実に、何らかの関係性があると思いますか。自由にお答えください。

 関係あると思います。スパッと切り分けて考えられる人もいるかもしれませんが、社外活動が充実するからこそ、仕事でのパフォーマンスが出ると考えています。プライベートで不安定だと、仕事でも安定しにくいという考え方です。

インタビュー:古野庸一 テキスト:米川青馬

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