コヴィー博士来日特別インタビュー

人生をクレッシェンドに生きる

森:
ワークライフバランスに関しても「7つの習慣®」は素晴らしい考え方を与えてくれます。
コヴィー博士:
はい。人生には長期的な計画が必須です。自分にとっての優先事項を明確にして、最も重要なことを最優先させるべきです。ワークライフバランスをうまく保つには優先事項の中に家族との生活も入れておき、家族のミッション・ステートメントをつくって、みんなで共有することです。私には9人の子ども、52人の孫、5人のひ孫がいて、さらに2人のひ孫がもうすぐ産まれます。
森:
それはお幸せですね。
コヴィー博士:
はい。私は今「人生をクレッシェンドに生きる」というテーマで本を執筆しています。年を取っても可能性が広がっていく、末広がりの人生を送りましょう、という意味が込められています。
森:
すてきな言葉ですね。
コヴィー博士:
クレッシェンドの人生を生きるのに大切なのは、先ほども述べたように、自らのボイスに耳を傾けることです。自分のボイスが分からないという人に対しては、「小さい頃に大好きだったこと、得意だったことは何だったか、もう一度考えてみてください」という助言が効果的です。
森:
人間にとって本当に大切なものは幼少期に既に形成されているのですね。私は「7つの習慣®」で目指す最終ゴールは第六の習慣、つまり、他者との相乗効果を発揮することだと思うのですが、いかがでしょうか。
コヴィー博士:
その通りです。そのためには、相手を理解してはじめて自分が理解されるという第五の習慣を身につけることが大前提ですが、私は時々、これで苦しめられます。うまく感情移入しながら、人の話を傾聴することが難しい場合があるのです。
森:
コヴィーさんほどの方がそうだとは驚きです。
コヴィー博士:
それを身につけないと、お互いがいつまで経っても分かり合えません。そういう場合、一人がA、もう一方がBの案を出した場合、結局、どっちつかずの妥協案に落ち着いてしまう。ところが、第五の習慣を身につけた2人の場合、最初はA,Bという水と油のような案だったとしても、対話を繰り返すうち、そのどちらでもない、しかも完成度の高いC案が出てくるのです。
森:
それは第一の習慣である「主体性を発揮する」にも通じるわけですね。
コヴィー博士:
その通りです。アメリカに約50店舗を展開するスーパーマーケットのチェーンがあります。ここが「7つの習慣®」を取り入れ、経営陣が従業員一人ひとりを大切にし、彼らの主体性を最大限に尊重するエンパワーメントを行った。そうしたら、従業員たちが自分たちのお客様が何を欲しているかを真剣に考え、仕事をするようになり、その結果、ナンバーワン・チェーンの座を獲得することができました。鍵となったのは、自分たちはお客様に食品を販売しているのではない、かけがえのない食事を提供しているのだ、という意識の転換だったそうです。
森:
いいお話ですね。その基礎にあったのは従業員同士の信頼関係だったといえそうですね。

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