7つの習慣

Covey Network News 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ コヴィーグループ発行

第38回 コラム

「7つの習慣」の母 実践記 〜その1

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
サービス開発部 コヴィーグループ

森 良枝
■はじめに

インターネットで「7つの習慣」と検索すると、そのヒット数は膨大な数となります。最近ではTwitterやFacebookなどのコミュニケーションツールを活用する人も増え、「7つの習慣」に関する情報がこれまで以上に多く飛び交っています。

また、近年では『週刊ダイヤモンド』を始めとしたビジネス雑誌にも特集記事として取上げられ、いまだにビジネスパーソンを始めとした多くの人々に支持されていることを実感しています。

そんな「7つの習慣」と私の付き合いも20年になり、前出の『週刊ダイヤモンド』では、「7つの習慣の母」として誌面にも登場いたしました。振り返るとこの20年間は、一人でも多くの人に「7つの習慣」の考え方を伝えたい、そして元気になってもらいたい、という想いだけで活動してきました。辛いことがあっても受講者から「参加して良かったです」「元気をもらいました」という感想を聞けることが大きな励みになり、もっともっと日本の人に伝えていこうと思う日々でした。

このたび20周年記念(私だけの記念ですが) として、「7つの習慣の“母”実践記」を全3回にわたりお届けしたいと思います。

■1992年 チームメンバーとの関係に悩む日々

当時の私は企画室のマネジャーとして、アルバイトを含めた20名ほどのメンバー(しかも全員女性)を束ねていました。

女性ばかりのそのグループは少々独特な雰囲気を漂わせていて、男性社員には近寄りがたい存在のようでした。いつの間にか“女の園「花の企画室」”という別称まで付けられてしまい、複雑な想いをした記憶があります。

「7つの習慣」事業の立ち上げと企画室業務の二束のわらじを履き、忙しくも充実した毎日でした。しかし企画室でリーダー格のSさんが突然私を避けるようになったのです。私宛てにかかってきた電話を目の前の私に取り次ぐ時も、声を掛けるのではなく「○○さんから電話です」とメモを渡してくるほどです。その時には何が起きたのかわかりませんでした。それからというもの私が話しかけても聞こえないふりをするか、メモで返事をよこすようなやりとりが続きました。

つまり、全くコミュニケーションが取れなくなったのです。なぜ私をそんなに避けるのか、私のどこが気に入らないのか、原因が見当たらず私は相当悩みました。

ある日の夕方、「一緒に帰ろうか?」と帰り道が同じだったSさんを思い切って誘いました。帰宅ラッシュの車中で並んでつり革につかまる私たち。

私  「Sさん、私何かしちゃったかな・・・?」
Sさん「・・・(無言)」
私  「気に触ることをしちゃったら謝りたいし。何でも話してほしいんだ。」
Sさん「森さん、無理やり話を聞き出したとしても、後になって聞かなきゃ良かったと後悔することもあるんですよ!」


強烈な返事でした。そして、私は理解し合えないと諦めてしまいました。

それから下車駅までの時間がとっても長く感じられました。二人とも電車の窓を見ているだけで、まったく会話はありませんでした。

■心に響いた「第五の習慣」

「7つの習慣」研修の日本でのデビューに向けて、タイムテーブルや演習も出来上がり、いよいよ企業へ紹介する日が近づいてきました。そして1993年初春、社内の同僚に協力してもらい、トライアルコースを実施するとになりました。私も受講者のひとりとして参加しました。

当時の参加者教材は、既製品の文具メーカーのファイルにコピーした資料を綴じ込んだ簡易版です。研修運営も、現在のようにパソコンを使ってのプレゼンテーションスタイルではなく、100枚近いOHPスライドを切り替えながら、また、BGMはカセットデッキから流し、映像はVHSテープに録画を重ねた粗い画像のものでした。そんな手作り感満載のトライアルコースでしたが、参加した同僚の協力もあり、無事にスタートしました。


受講者のひとりとして参加したそのトライアルコースで、私の心に一番響いたのが第五の習慣「理解してから理解されよ(※)」でした。

Sさんとのエピソードを思い出し、
「あっ、そうだったのか。マネジャーとしての自分のプライドが邪魔して、あの時、彼女を本当に理解しようとしていなかったのかもしれない。なぜ私を避けるのか理由を聞き出して、自分だけが楽になりたかっただけなのかもしれない。その気持ちが彼女の心を余計に閉ざしてしまったのかもしれない。」と思ったのです。すると気持ちも晴れて気が楽になりました。まさにパラダイム転換の瞬間でした。

私は、相手を理解しようとしたのではなく、自分が知りたかったことだけを知りたかったのだと気づいたのです。


※現在の第五の習慣は「理解してから理解される」という表現ですが、日本デビュー当時は「理解してから理解されよ」と訳されていました。 今改めて、考えると「・・・されよ」という語調は、とてもインパクトのある表現ですね。

■そして数年後のこと

現在でも当時のメンバーとは「元企会(元企画室メンバーの会)」と称して同窓会を開催しています。

ある時Sさんが「森さんは、私をはじめ個性の強い女性メンバーたちを良くまとめてくれていましたね。今となってはその大変さが理解できますよ」と声を掛けてくれたのです。あの日気まずいままに別れ、疎遠になっていた彼女からの言葉に最初は耳を疑いましたが、「えっ、どうして急にそんな嬉しいことを言ってくれるの?」と思い切って聞いてみました。

するとSさんは、現在OA機器のカスタマーセンターで女性ばかりを束ねるマネジャーになり、メンバーとの関係に悩んでいるとのことでした。同じ立場になって、私のことを理解してくれていたのね」と一気に気持ちが晴れたことを覚えています。本当に嬉しいひと言でした。

私が当時のSさんの状況や悩みを理解しきれなかったように、目に見える表面的な行動や言葉を受け止めただけでは「相手を理解している」とは言えません。相手の気持ちや想いまでを汲み取れた時、本当に「相手を理解した」と言えるのかもしれません。しかし、理解できたのかどうかモノサシで測れればいいのですが、それはなかなか難しいことです。だからこそ、相手を理解しようと対話を重ね続けることが大事なのでしょうね。


次回は、「影響の輪」の活動にまつわるエピソードをご紹介します。

 

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*本プログラムは、株式会社リクルートマネジメントソリューションズがフランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社より販売を委託されているプログラムです。
*本プログラムは、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社の講師が担当します。
*7つの習慣® 他商品名は、米国フランクリン・コヴィーまたはフランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社の登録商標です。

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