360度評価(多面評価)とは?活用するメリットと留意点。社員研修・社員教育のリクルートマネジメントスクール

360度評価(多面評価)とは?活用するメリットと留意点

ビジネスを取り巻く環境が変化する中、過去のやり方を踏襲するだけでは、企業の発展は見込めません。一人ひとりの社員が現状に満足することなく、常に一つ上のレベルを目指していくことが求められます。
360度評価(多面評価)は、現場を率いるリーダーや管理職のリーダーシップ開発、チームを支える中堅社員の意識・行動変革を促すために取り入れられている手法です。今回は、360度評価(多面評価)の概要、活用するメリットと留意点についてご説明します。

360度評価(多面評価)を活用したリーダーシップ開発および中堅社員の意識・行動変革については、以下で詳しくご紹介しています。

◆360度サーベイで現状を振り返り行動指針を固めるリーダーシップ開発研修(LDP)【通い3日】
◆360度サーベイで現状を振り返り行動指針を固めるシニアメンバーシップ開発研修(SDP)【通い3日】
360度評価(あるいは多面評価)とは、上司だけではなく、本人、同僚、部下の複数名によって、日常の職務行動を評価することです。360度評価(多面評価)は人材育成を目的として米国で生まれた手法で、評価結果をフィードバックすることによって、本人の意識・行動変革を促すことをねらいとしています。日本では1980年ごろから大手企業を中心に導入され、主に中堅社員以上を対象に実施されることが多いようです。

近年、製品サイクルやサービスサイクルは短期化の傾向が見られ、企業は変化への迅速な対応が求められています。360度評価(多面評価)の活用によって、「上司に言われたことだけを忠実にこなす」「自分の部署のことばかり考え、他部署に関心を持たない」という組織風土の改善が期待できます。

360度評価(多面評価)の十分な効果を得るためには、評価結果を伝えるだけでは不十分です。結果を通知した後でガイダンスを開催して評価結果の見方を説明したり、自分の行動を振り返り、評価シートを提出してもらったりするなど、評価結果を本人の意識・行動変革につなげる取り組みが重要となります。
360度評価(多面評価)の活用メリットは、以下の4つが挙げられます。

評価対象者が、自分の強みや弱みに気付きやすくなる
1人の評価者による評価は、評価対象者を一方向から見て評価することとなります。そのため、見落としてしまっている点も多いことが考えられます。360度評価(多面評価)であれば、評価対象者が上司や部下、同僚といった複数の人間から評価を受けることによって、自分の強みや弱みに気付きやすくなるでしょう。

納得感のある評価を行うことができる
人事評価を人材育成に活用したい、というニーズもあるでしょう。そのためには、評価結果に納得してもらった上で、自らの課題に取り組んでもらうことが重要です。
しかし、上司と接する機会が少ない部下の場合、上司による評価に対して、「恣意的な評価がされている」「自分の働きぶりを見てくれていない」と感じる可能性があります。その点、360度評価(多面評価)は上司以外の評価者がいるため、評価に納得してもらいやすいと考えられます。

職場におけるコミュニケーションが活性化される
コミュニケーション不足を課題に抱える組織も少なくありません。社内コミュニケーションがうまく取れないと、社内の雰囲気に悪影響を与えるだけではなく、情報共有の漏れや、生産性の低下を招いてしまうこともあります。

特にコミュニケーションが不足しやすいのは、上司と部下の間です。上司から部下へは声を掛けやすくても、部下が上司に声を掛けにくいというケースはよくあります。360度評価(多面評価)は、面談の機会を設けてフィードバックを行うことによって、上司と部下とのコミュニケーションを活性化するためのツールとしても活用できます。

自己評価と他者評価のギャップが明らかになる
通常の評価の場合、上司は部下を評価するだけで、部下に評価される機会はないため、お互いの間で認識のズレが生じることも少なくありません。一方、360度評価(多面評価)では、他者評価だけではなく自己評価も行うため、両者の評価のギャップが明らかになります。

例えば、自分ではリーダーシップを発揮しているつもりでも、同じチームや部署のメンバーには伝わっていないことがあります。このような場合、評価のギャップが生じている理由を探ることによって、本人の意識・行動変革を図ることが可能です。
360度評価(多面評価)には上記のメリットがある一方、以下の一時的な懸念点があります。

評価者との関係性に影響が出る可能性がある
同僚や部下から予想よりも低い評価を受けたり、批判的なコメントをもらったりして、評価者との関係が一時的に悪化する可能性もあります。ただし、自分に対する評価や批判的なコメントが自己を見直すきっかけになるなど、長期的にはプラスの効果をもたらすことも考えられます。
評価者との関係悪化が懸念される場合は、評価の匿名性を確保する、人事部が評価者を指定するなどの方法を取ると良いでしょう。

本人に遠慮して適切な評価ができない可能性がある
評価者と評価対象者の仲が良く、評価者が本人に遠慮して適切な評価ができないというケースもあります。
「仕返しされたくないから、甘く評価しよう」「関係をぎくしゃくさせたくないから、無難に評価しよう」という社員がいると、360度評価を実施する意義が薄れてしまいます。360度評価(多面評価)を実施する際は、評価者を対象とした研修を実施し、事前に実施目的や重要性を理解してもらうようにしましょう。
ここでは、360度評価(多面評価)における代表的な評価項目をご紹介します。

課題発見に関する項目
【現状把握力】
自分の部署や会社が置かれている状況を把握する力

【問題分析力】
自らが直面している問題やお客様が抱えている問題を分析する力

【企画力】
新しいアイデアや発想を生み出す力

【チャレンジ精神】
達成が困難と思われる課題にも前向きに取り組める力

課題遂行に関する項目
【判断力】
取るべき行動を的確に判断する力

【計画力】
目標を実現するために具体的で効果的な計画を立案する力

【行動力】
自ら率先して行動する力

【責任感】
何事にも一生懸命取り組み、最後までやり抜く力

人材活用に関する項目
【共感力】
他者の立場に立って物事を考える力

【人材育成力】
仕事を任せたり、フィードバックを行ったりして、部下の能力開発を促す力

【動機づけ力】
声を掛けたり、適切な目標を設定したりして、部下のモチベーションを高める力

【包容力】
部下の相談に乗ったり、困ったときにサポートしたりする力

コミュニケーションに関する項目
【傾聴力】
相手の話に親身に耳を傾ける力

【意思疎通力】
自分の考えを相手に分かりやすく伝える力

【折衝力】
意見が対立する相手と話し合い、妥協点を見つける力

【協調性】
他部署や社内外の人と連携して業務に取り組む力
今回は、360度評価(多面評価)を活用するメリットおよび留意点についてご紹介しました。
360度評価(多面評価)では、上司の視点だけではなく、同僚や部下の視点も評価に取り入れることによって、本人の気付きや意識・行動変革につなげることができます。評価に納得感を持たせたり、職場のコミュニケーションを活性化したりするためにも、360度評価(多面評価)を導入してみてはいかがでしょうか。

360度評価(多面評価)を活用したリーダーシップ開発および中堅社員の意識・行動変革については、以下の研修で詳しくご紹介しています。

◆360度サーベイで現状を振り返り行動指針を固めるリーダーシップ開発研修(LDP)【通い3日】
◆360度サーベイで現状を振り返り行動指針を固めるシニアメンバーシップ開発研修(SDP)【通い3日】