経営理念(ミッション&バリュー)はなぜ浸透しないのか?

「4要件」を効果的に取り入れた事例の紹介

次に、この4要件を取り入れることで、活動を軌道にのせることができた企業の事例を紹介したいと思います。この会社は中堅の情報機器部品メーカーであり、10年ほど前までは人と人とのつながりや伝統を大切にしてきた会社ですが、そうした好ましい組織風土が急速に劣化していく兆候を経営層が感じ取っていました。その当時の企業の状況を端的に示すと次のようになります。


【企業の状況】

  • 核としている事業分野や製品が、IT化の波を受けて、ここ10年の間に急速に変化した。
  • それに符合する形で、中途入社社員の増加や生産拠点のグローバル化が急速に進んだが、自社の強みやスピリットに相当する部分が希薄化しているのではないかという危機感が生まれている。
  • その危機感とは、もともとは人と人とのつながりや、現場第一線における創意工夫を大切にする組織文化があり、そうしたことが自分たちの強みの源であったが、そうした現場の力が最近急速に弱まっているのではないかというものである。
  • 実際問題として、従業員数や拠点数は増えたものの、現場第一線からの情報発信はむしろ減る傾向にあり、社員の会社への帰属意識も弱まっているように現場の管理職は感じている。

こうした状況を何とかしたいという思いから、「古きよき時代」を肌で理解し、今も職場でそれを引き継ぎ、良い意味での影響力を保持している社員を「伝道師」として集めることとしました。その後の具体的な活動について、「言語化」「共感」「内在化」のプロセス(下図参照)にしたがって見ていきます。

経営層と伝道師が中心となって、これらの活動を、相応の負荷をかけて実施しました。「4要件」に基づいて、この企業の取り組みを整理すると次のようになります。


【参考 4要件のフレームワークでポイントを整理】

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