経営理念(ミッション&バリュー)はなぜ浸透しないのか?

活動が軌道にのった企業の4要件

次に、活動が軌道にのった企業は何が違うのかというポイントを見ていきます。ちなみに「活動が軌道にのった」状態とは、職場での行動実践を伴うレベルをゴールとして想定しています。単に、言葉として認識されているだけではなく、日々の行動に反映されていることを意味し、ミッション&バリューの浸透度としては高いレベルとなります。弊社ではさまざまな企業の取り組みをお手伝いさせていただく中で、軌道にのった企業には4つの共通要件があることを認識しました。それは

(1)経営トップ層のコミットメント
(2)伝説の発掘と体現化
(3)プロモーション
(4)内在化する仕組みの導入

となります。

(1)経営トップ層のコミットメント

ミッション&バリュー浸透活動は、トップの「志」と現場の「志」との高次レベルにおける融合にほかなりません。必ずしもミッション&バリューの内容はトップが作る必要はありませんし、現場と協働で作り上げていく方が、推進上のメリットはあります。しかし、トップの強いメッセージは社員のエネルギーを引き出すうえで、不可欠であるのも事実です。策定過程はともかくとして、「よきに計らえ」的な当事者意識を疑いたくなるようなスタンスをトップが示した時点で、活動の停滞は免れません。


(2)伝説の発掘と体現化

ミッション&バリューに掲げられた内容に実感が湧かない、言葉が上滑りしているように感じる・・・・そのような時は、この「伝説の発掘と体現化」の要件を満たしていないケースがほとんどです。ミッション&バリューに掲げられたことを端的に伝えるための過去の出来事やエピソードに触れたり、そうしたことを体現している身近な人が表彰されたりすることで、初めて行動実感が伴うこととなります。


(3)プロモーション

次に必要なのは、トップのコミットメントや伝説を効果的に伝えることです。伝えるためには、「媒体」と「語り部」が要ります。「媒体」は冊子やポスターといったものが該当し、ミッション&バリューの活動を推進する場合には必ず考慮されるのに対して、「語り部」については意識されないことが多く、それがミッション&バリューがなかなか組織に浸透しない要因の一つになります。聖書を配布しただけでは、宗教が浸透しないのと同じで、語り部となる宣教師や伝道師の志があればこそ信者は増えることはいうまでもありません。


(4)内在化する仕組みの導入

プロモーションは研修やイベントという形で行うことが多く、必要なプロセスには違いありませんが、それだけでは、華やかな打ち上げ花火を上げただけにすぎません。その時には、「気付き」があっても、何日かすると人は忘れてしまいます。プロジェクトXを見た後の熱い思いが、翌朝には「いつもの私」に戻ってしまうのと同じです。 そうした状況を避けるためには、日々の行動に反映させるための何らかの仕組みが必要となります。ポピュラーな方法としては、

1)アンケートによる浸透度調査の実施
2)人事制度の評価項目への反映
3)現場からの主体的な情報発信を目的としたナレッジマネジメントの推進

などがあります。調査や評価が定期的に行われることは社員の関心を喚起するうえでの効果があります。

記事のキーワード検索
Page Top