経営理念(ミッション&バリュー)はなぜ浸透しないのか?

「ミッション&バリュー」浸透のプロセス

宗教布教のプロセスに範がある

次に、ミッション&バリューを社内に浸透させるためには、どのようなプロセスを踏むのが効果的なのでしょうか?一つの範として、宗教布教のプロセスと重ね合わせて考えるとイメージがしやすくなります。例えばキリスト教においては、まさに「バイブル」として聖書によりその教えが言語化され、その内容に共感を抱くための場としての教会と牧師の存在があり、日々の祈りや毎週日曜日に教会に行くといった反復的に行われる儀式の中で個々人への内在化が進み、結果として日々の行動や判断にその「教え」が反映されます。

ミッション&バリューについても、それと同じ要素が必要であり、全員で共有できるように「言語化」がなされ、その内容に「共感」を抱くような場が効果的に設けられ、そうした場が単なるイベントで終わらないようにするために、個々人に内在化され、日々の行動に反映されるようになるための仕掛けを作る必要があります。

ミッション&バリューが浸透した状況とは、日常業務における日々の判断基準としてミッション&バリューが根付いている状況にほかなりません。そのためには、意識高揚を目的としたイベント的なものも必要ですが、継続的な粘り強い働きかけも欠かすことはできません。

キーパーソンを核に据えた浸透プロセス

言語化、共感、内在化のプロセスは時間軸で見た浸透プロセスですが、もう一つ必要な観点として、組織のどの部分から浸透活動を着手するかということも考える必要があります。この場合の「部分」というのは、階層や職場を意味します。「まずはミドルマネジメントを集めて・・・」であるとか、「○○事業部において先行実施する」という判断がそれに該当します。

その際、特に重要になるのはキーパーソンの選定です。この場合のキーパーソンは、浸透活動の旗手として社内にある温度差を解消していく担い手となる人を指し、宣教師や伝道師といった概念に相当します。例えば、ミドルマネジメントの中でも、特に問題意識が高く、現場への影響力がある人を浸透活動の「核」と位置付け、「核」の部分の温度を最大限に高めてから他のミドルマネジメントに広め、次に一般社員に広めていくといった展開を行えば、いきなり一般社員を対象にした活動を行うよりも、浸透の確度は高まります。

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