効果的な新人導入教育を実践するためのヒント
正解はなるべく与えない、行動させ考えてもらう 〜その1〜
知識/スキルの伝達の仕方も、ただ教えるよりも「行動してみる」→「考える」→「気づく」というサイクルの「体験学習」が今の新入社員には受け入れやすく、学習効果が高いようです。
ここで、「考える」際の具体的なポイント・手法を幾つか紹介しましょう。
考えるための材料をまず与える
考えるためには、考える材料が必要です。弊社のトレーニングにおいても「まずやらせてから、振り返り考えてもらう」「チームで思いつくままたくさんの情報を出させてから、整理し考えてもらい、発表してもらう」「これまでの体験を材料に書かせて、そこから考えてもらう」などの手法を取ります。
観点・立場を指定する
また、観点や立場を指定して考えてもらうことも有効です。「相手の立場に立ったら」「顧客の立場なら」「上司の立場なら」「競合の観点からすると」「能率からすると」「成果からすると」「チームの協力、という観点からすると」など、観点を明確にして考えさせることによって、見えてなかったことを気づかせることができます。
弊社の新入社員トレーニングでは、「相手の立場」「顧客の立場」を重視し学んでもらうように進めています。特に最近正解を求める傾向が受講者に強いことから、質問があってもすぐには答えを提供せずに「相手の立場だったらどうしてほしいですか?」ということを何度も考えさせ、その癖をつけるようにしています。
対比させる
上記に似ていますが、対比させながら考えてもらうことも有効です。「良い例/悪い例は・・・」「AチームとBチームの違いは何でしょう」「自社と競合の違いは何でしょう」などの問いをセッションに組み込むことにより、新入社員の考え方を深めることができます。
弊社のトレーニングでも、VTRで良い事例と悪い事例をあらかじめ見てもらい、その差を話し合うことでどのような行動を取ることが良いのか、どのようにしたら相手に悪い印象を与えるのか、そのことを考えさせ気づかせてからロールプレイをする手法を一部の研修に取り入れて効果を上げています。