部長に求められる役割を考える
〜経営人材として活躍できるために部長職で求められるチャレンジ〜

部長としての「真価が問われる」3つの活動〜その2〜

2.組織の動き方を変えていくための戦略的な介入をする

当面の業績達成活動の中に、中長期につながる動きを組み込むということは、それまでの組織の動き方を変えることになります。これは組織をストレッチ(背伸び)させることに他なりません。当面の業績達成ですら多くの努力を要するのに、さらにそれまでとは異なる取り組みや動き方を要求することになるからです。しかも、現場に直接関与することができにくい部長職は、直属のミドル・マネジャーを通じて組織全体の動きを変えていかなければなりません。

「戦略的な介入」とは、“描いたシナリオに沿って組織を望ましい動き方に変えていくための打ち手を戦略的に考え、要望し、関係者の反応と状況の変化を注視しながらチャンスを逃さず働きかけていく活動”をさします。ここでのポイントは、直接指示して動かしていくだけでなく、関係者が動かざるを得なくなるような状況をどうすれば作り出せるかという発想です。そのためには、まず主要な関係者や部署を見極め、彼らを動機づける要因を探さなくてはなりません。その上で、自身の指示や判断が組織に及ぼす影響、関係者の反応を予想し、望ましい反応の連鎖をどう仕掛けていくか、数手先まで想定した打ち手を考えることが大切になります。

熟練した部長の行動からは、具体的な手段を提示せず相手に考えさせる、異なるやり方を主張するマネジャー同士をあえて競争させる、強力な抵抗者を問題解決の責任者にする、部署を超えた非公式な社内ネットワークに働きかけて新しいやり方を実験させる、といった個人や集団の心理をうまくつかんだ打ち手を見つけることができます。また、あらゆる場面で、「一石二鳥、三鳥」を考えること、予想外の変化に着目してそれをうまく活用すること、必要な時には朝令暮改を厭わないこと、なども特徴的な点です。そして、部長の介入には、人材の再配置、外部資源の調達、組織体制の変更、仕組みやルールの変更も含まれます。ミドル・マネジャーレベルでは多くは権限外だったこの種の打ち手も、部長レベルでは選択可能な手段となります。こうした介入手段の多様性とメリット・デメリットについても理解し、適切に組み合わせることが求められます。

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