マネジャーのヒューマンスキルについて考える

マネジャーのヒューマンスキルの現状

前章では、ヒューマンスキルが重要といわれる背景をご説明しました。
この章では、マネジャーのヒューマンスキルの現状を、研修の現場をとおして考えてみたいと思います。


1.研修で見られるマネジャーのヒューマンスキルの現状

「研修の中で見ると、マネジャーのヒューマンスキルは低下しているといえる」


リーダーシップが低下している

当社のアセスメントプログラムの中で「統率力」は下降傾向にあります。実際に研修場面を見ても、自分の考え方で引っ張っていく力は弱くなっていると感じます。力強く引っ張るより、他者の力を借りて調整に回る人が目立ちます。


葛藤を避ける傾向が強くなっている

グループ討議中、グループの見解を作り上げる場面において、年々葛藤を避ける傾向にあると感じます。何となく決まる、強く言った人にあえて逆らわない、相手の意見に踏み込んでいかず論破しない、などの現象が目立ちます。


感情表現が少なく淡々としている

議論する、相互理解をするといった場面でも、自己の感情をストレートに出す人が少なくなっています。従って、討議も淡々として終ります。(一方で、課題は時間内にきちんとクリアすることが多いのですが・・・)


「この現象は必ずしも研修だけでなく、職場でも起きている傾向と思われる」

受講生(マネジャー)の発言で、「部下と飲みには行かない」、「部下とメール以外では話をしない」、「面談のときも突っ込んで話をしない」、「一緒に行動しないので直接アドバイスをすることもない」、「会議も事務的に終わる」などの意見をよく耳にします。職場でもヒューマンスキルの低下はおきているといえます。


2.考えられる低下の原因

ヒューマンスキルが低下してきた原因はいくつか考えられます。一つは成果主義の導入により、チームで活動するより、個人の実績を挙げることに一生懸命で、協働や人との関わりが少なくなってきていることが挙げられます。

もう一つは、IT化により、コミュニケーションのあり方がEメール主体にシフトしたことです。
Eメールでのコミュニケーションと、FACE to FACEでのコミュニケーションでは相手への伝わり方が違います。Eメールでは相手との感情のやりとりが限られ、生の感情のぶつかり合いは生まれません。隣の人とメールで挨拶することではヒューマンスキルは高まらないのです。

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