マネジャーのヒューマンスキルについて考える

マネジャーのヒューマンスキル、重要性の背景
〜今あらためてヒューマンスキルが注目される理由〜

最近になってマネジャーのヒューマンスキルの重要性が叫ばれています。
この章では、「なぜ、今ヒューマンスキルなのか・・・」その背景をあらためて考えてみたいと思います。


1.環境変化からの要請

環境変化のスピードが速く、事業モデルの変更や、商品開発のサイクルが短くなってきています。
そのため、マネジャーは

  • 現場の情報をいち早く吸い上げる必要がある
  • 現場で、どう適切に対応するかが問われる
状況にあるといえます。
いずれにせよ、現場のマネジャーが部下の意見を集約し、対応策を練る必要があり、メンバーの意見を「引き出す」「まとめる」などのヒューマンスキルが要求されます。


2.企業収益からの要請

近年、企業業績は上向き傾向にありますが、永続的に業績を確保しようとすれば、部下育成は必要不可欠です。ただし、部下(人材)育成は時間がかかり、短期的には成し得ません。例えば、OJTを通じて部下を育てようとする場合、部下の気持ちを聴いたり、将来目指そうとするキャリアや夢を聴くことも必要となります。

同時に、部下の行動を見て、きちんと評価し、的確にフィードバックを行うことも重要です。
部下の気持ちや意向を引き出したり、適切なフィードバックを行う場面でも、ヒューマンスキルが決め手となってくるのです。


3.メンバーの欲求、価値観の多様化

最近の部下の価値観は多様化しています。上司の価値観では推し量れないことも多いでしょう。そういった場合、まず部下に聴いてみることが大切です。今までであれば、上司の考え方を熱く語る(伝える)ことで、部下もそれなりに上司の考え方を理解し、その指示に従ってきました。

ところが、今はまず部下の考えを聴き、自分の考え方と統合した上で部下に伝えないと、十分納得してもらえません。これには、大変なエネルギーを要します。しかも、ヒューマンスキルが伴わないと、満足に伝えるのは難しいのです。仮に、一つ一つの言動には納得がいかなくとも、上司を理解し、上司を信頼していればまだついてきてくれますが、これがなかなか難しいのです。まずは部下とじっくり向き合って話をすることから始める必要があるのです。

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