効果的な次世代リーダーの育成法
〜国際的リーダー育成機関の研究から〜

組織固有の環境とリンクさせる

最後に、上記のような現実の仕事経験をともなったリーダー育成施策を展開する際にCCLが考慮すべきだとしている、きわめて重要なリンクについて触れます。それは、組織固有の環境とのリンクです。

ひとつは、組織がもつ既存のシステムとの整合性です。業績管理や評価、報酬システムは、育成施策をサポートするものである必要があります。育成面ではチャレンジを奨励しているにもかかわらず、結果のみが評価される評価システムでは、能力開発の取り組みは台無しになってしまいます。制度そのものを変えるのは容易ではないかもしれませんが、運用面では工夫の余地があるかもしれません。評価システム以外にも、組織にはさまざまな仕組みやルールが存在します。こうした既存のシステムとの整合性確保は、制度の変更、調整を含めて全社スタッフができるサポートのひとつでしょう。

もうひとつは事業ビジョンや戦略といったビジネス文脈とのリンクです。CCLは、リーダー育成のプロセスは、組織固有のビジネスの文脈に組み込まれたものであるべきで、リーダー育成プロセス自体が、企業の戦略的方向性を支持するものであり、同時に戦略からも支持されるものである必要があるとしています。これはしごくもっともな話で、例えば技術主導型の会社が、将来を見据えて顧客ニーズ主導型の会社に変わろうとしているときには、リーダー育成施策自体も、顧客ニーズ主導型の会社のリーダーに求められる能力開発に焦点を当てる必要があります。先の問題解決研修の例も、事業が目指す方向性を考えればもしかすると顧客志向や課題設定力の開発をターゲットとすべきかもしれません。

こうした指摘は、ともすれば「汎用的な」コンピテンシーの開発をターゲットにしがちな育成施策に警鐘を鳴らすものといえるでしょう。

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