効果的な次世代リーダーの育成法
〜国際的リーダー育成機関の研究から〜
伝統的に行われてきた人材育成手法
以上、効果的な次世代リーダー育成に関するCCLの知見の一部をご紹介してきました。冒頭で述べたように、同機関の研究成果はすでに多くのグローバル企業のリーダー育成で活用、実践されており、その範囲は欧米企業にとどまりません。この点で、残念ながら日本企業のリーダー育成施策はやや後れを取っている感は否めません。
しかし、その一方で、ご紹介してきた内容は、多くの日本企業の中で伝統的に行われてきた人材育成手法に共通するものがあるとお感じになった読者も多いのではないかと思います。「仕事の割り当て」や「人間関係」を通じた育成は、欧米では過去20年ほどの間で普及してきたアイディアとされていますが、日本ではそれよりもはるか以前から「自明の理」としてとらえられており、実際に組織でもそうした活動が機能していたはずです。ただし、「自明の理」であるがゆえに、それを応用可能な方法論として体系化できなかった側面もあるのではないでしょうか。
CCLの研究は、リーダーを育てる経験を「意図的にデザインする」ことの重要性を私たちに気づかせてくれるものであると思います。
今号でご紹介したCCLによる知見がまとめられた“Handbook of Leadership Development”の翻訳書が出版されました。詳細は、以下<関連書籍>リーダーシップ開発ハンドブックよりご確認ください。