組織営業で勝つための営業マネジメント力強化
〜いかにプレイーヤーから転換し「営業マネジメント」の専門性を高めるか〜

高まる営業マネジメントの専門性

営業マネジャーの最大の関心事は業績の達成とメンバー育成の同時実現、これらを質高く継続的に実現できるかどうかは前述の調査結果で重視されていた「戦略に基づいた具体的な計画立案と、プロセス管理」にかかっています。組織営業力を高めるためには、これまで培ってきた経験と勘から離れ、メンバーが再現性高く行動できる基準を示し、メンバー間でも問題解決やノウハウ蓄積ができるような仕組み・風土づくりを意図的に行う必要があるのです。個人ではなく組織で勝つための仕組みづくりそのものといえます。

BtoB営業を例にとって、戦略立案を計画にブレイクダウンしていくステップ(プロセス基準の構築)と、日々の営業マネジメントでプロセス管理する営業マネジメント活動を図示しました。


【プロセス基準の構築とプロセス管理(B to B営業の例)】

大まかに言えば、左側があるべき営業の基準と目標達成の筋道=「マネジメントの基準」、右側がその基準と筋道に基づいた活動ギャップの是正=「日々のマネジメント活動」ということになります。組織営業力を高めるためには、これら両輪でPDCAを回し、揃って質を高めていかなければなりません。

組織営業を推進する営業マネジャーに求められることは、先が見えないながらも、仮説をもとに目標達成のための戦略を掲げ、あるべき活動プロセス基準を明確にし、日常のプロセス管理を通して検証を繰り返しながらより確度の高い戦略や活動プロセス基準に見直していくといった、組織全体の活動の質を高めていくことではないでしょうか。その仮説検証をスピーディーに回し、自立的に活動改善できる組織こそ、真に強い営業組織といえるのです。

ここで申し上げたいのは、そのために身につけるべき営業マネジメントのスキルは数多く(図の※印)、現場のマネジャー任せにせず、体系立てて身につけていく必要があるということです。主なスキルを以下に記します。

・マーケティング・戦略策定スキル
(マーケティング理論を実際の戦略構築に活用するためのフレームワーク)

・営業プロセス構築スキル
(計画した顧客価値を、営業活動プロセスに具体化するためのフレームワーク)

・計画策定スキル
(営業計画、商談計画づくりのためのフレームワーク)

・プロセス管理スキル
(プロセス管理の考え方・進め方、基準に基づいて管理するスキル)

・面談、指導スキル
(メンバーを動機づけ、成果と成長に向けて指導するためのコミュニケーションスキル)

・ファシリテーションスキル
(メンバーの意見を引き出しながら合意形成するためのコミュニケーションスキル)

・問題解決スキル
(問題を明確にし、要因を掘り下げ、あるべき方向に解決するためのフレームワーク)

「個々人の頑張りでモノが売れた時代」から、組織営業力を高めることで「顧客満足を起点に売り方を磨いていく時代」へと変化していく中で、営業マネジメントの専門性は高まるばかりと感じています。

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