お客様満足向上に真につながるCS調査とは 「お客様の声」の収集だけで終わっていませんか?
CS調査の活用事例 〜メーカーA社のケース〜 (2)
【多面的な分析】
分析1 早急に対処すべき課題の明確化(図1)
お客様の満足度と重視度の観点から分析すると、「お客様の課題・ニーズの把握」や「お客様にとって役立つ提案」は満足度は低いが、重視度は高い項目であり、早急に対処すべき課題と分かった。
分析2 お客様と営業担当との「認識のギャップ」の確認(図2)
営業担当の自己認知とお客様の評価の観点から分析すると、「お客様のニーズを十分に把握したうえで、 提案活動を行っている」との自己認知に対して、お客様は「自分の話をあまり聞いてもらえず、 商品説明ばかりされる」との評価であった。
分析3 間接的にCS(お客様満足)に影響を及ぼす組織内部の要因の特定(図3)
まずは、CSの高い販売店と低い販売店にグルーピングした。そして、組織内部の要因として何がCSに大きく差を生み出しているのか分析した結果、組織長のリーダーシップ(特に「日々の方針徹底」)が大きく影響することが判明した。実際にCSの高い販売店と低い販売店の店長にインタビューを実施したところ、「日々の方針徹底」には歴然とした差が見受けられた。

【分析結果】
「営業担当のヒアリング力不足」「店長のリーダーシップ欠如(特に、日々の方針徹底)」を、CSを阻害する要因として特定した。
【立案・実行した施策】
1)各販売店に調査結果をフィードバック
店長が、自らの販売店における課題の抽出と具体的な改善施策の立案を行った。
2)お客様のニーズを聞き出すヒアリング研修
研修がきっかけで、自発的に毎日朝礼で、ロールプレイを実施する販売店もでてきた。
3)優秀な店長の業務活動をモデル化
業績・CSともに高く、優秀な店長数名にインタビューを実施して、日々の業務活動を分析、モデル化した。 それに基づいた店長マニュアルを作成し、全店長への展開を図った。
【施策の効果】
1)施策を通じて、販売店内のコミュニケーションが活性化し、お客様についての会話が以前よりも増加した。
2)口コミで紹介されたお客様の来店が増加した。実際に紹介比率が5%から18%に改善された販売店もでてきた。