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3つのタイプから学ぶ活用のポイント その意識調査、本当に活用できてますか?


【プランニング】「案ずるより産む」タイプ

●よく聞くお客様のお悩み
・「社長が代わり『今の会社の状況を把握したい』とのことで、意識調査をすることにしました」
・「CS(顧客満足)のためにはESが大事なので、当社でもES向上を目指すことにしたんです」
・「親会社がやっているから、実施しろと言われているんですよね」

企業の担当者の方に、意識調査を実施する目的・背景をお尋ねすると、こんな答えが返ってくることがあります。

●データの迷路で宝探し?
意識調査をとりあえず実施して、結果を見ながら何か有用な情報や自社の課題はないかを見つけようというケースは少なくありません。しかし、このような展開の場合、往々にして“宝探し”に陥ってしまいます。もっと分析を重ねれば何か見つかるんじゃないか、と探し続けた結果、データの迷路で迷子になってしまうのです。聞きたい質問を、ただ順に並べて構成された意識調査からでは、自社に合った課題が自動的に出てくるということはほとんどありません。

●調査で何をしたいのか?
理想的には、調査を実施するにあたって、「意識調査をなぜ実施するのか?」「調査によって何を明らかにしたいのか?」「結果に基づきどんな施策を展開したいのか?」といったことを、ビジョンや経営方針、事業の状況に照らして明確に位置づけておく必要があります。その上で、目指す方向に対する組織の現状を踏まえた課題を設定し、その仮説に基づいた質問項目の設計を行います。つまり、明らかにしたいことや調査後のアクションに対して、なんらかの意図や意思、思惑を持った状態で質問を設計することこそ重要だといえます。

ただ、現実としてはまず調査をやってみようというところから始まることが多く、とりあえず実施してみること自体は、ファーストステップとしてはよいことではあります。なぜなら調査内容が一般的なものであっても、特に気になっているテーマに合わせて結果を見ることによって、有用な情報を読み取り、適切な課題を設定することができるからです。

●一口に「顧客志向」といっても……
顧客志向やお客様満足を掲げている企業を例に挙げてみましょう。
弊社の汎用的な意識調査では、図表1のようなカテゴリから質問が構成されています。そのまま結果を見れば、カテゴリごとの得点傾向が読み取れるのですが、例えばこの企業の特性にあわせて顧客満足に関わる要素を抜粋して検証してみます。ここでは影響が考えられる要素として、仕事の特性・負担感・職場内の連携・上司のサポートといった項目をピックアップします(この作業を“リフレーム”と呼びます)。すると、「職場における顧客志向は比較的高い水準にあるが、仕事の量的な負担が高く、職場内の連携も十分取れているとはいえない。現在は、顧客に対してよりよいサービスを提供していこうという個々の高い意識で担保されていると考えられるが、反面、個人の意識頼りともいえなくはない。今後は、上司や周囲のサポートの体制・仕組みについても検討していく必要がある」といった解釈ができることになります。さらに、関連付けて読み取った項目の間に統計的に有意な関係が見られるかどうかを、相関分析などの手法で検証していくこともできます。
すなわち重要なのは、出てきた結果と事前に整理した事業課題をいかに結び付けて考えていくことができるかどうかにあります。


【図表1 調査結果の解釈】

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