人事担当者必見!昇進・昇格のいま RMS Research'09昇進・昇格実態調査から
昇進・昇格の動線を作る4つの点検領域
本特集でご紹介した結果を元に昇進・昇格を再設計する際のポイントについて整理してみたいと思います。
各社がおかれている状況や今後の取り組み施策を見ていると、 「入り口(昇格選考):領域(1)」「出口(降格ルール):領域(2)」「候補者育成:領域(3)」と「昇格後教育:領域(4)」の4領域の制度の整合性をとりながら再設計することの必要性が見えてきます。
例えば、厳格な昇格基準づくりに限界があり、「一度、機会を与えてやらせてみよう」という昇格運用(領域(1))をせざるをえない企業であれば、昇格後の教育機会の提供(領域(4))を充実させる必要があります。それでも適合しなかった場合には、現在のポジションから「健全に退くためのルール」や「風土づくり」(領域(2))をしっかりと行うことで、昇格前から降格までの動線(パス)に納得感がうまれ、実効性の高い制度として描くことができます。
昇進・昇格というと、 「入り口(昇格選考):領域(1)」を想起される方が多いのではないでしょうか。 冒頭の「昇進・昇格をどのように設計すれば理想的な管理職が継続的に配置されるか?」という問いに対し、「これさえやれば大丈夫!」という特効薬はありません。しかし、この4つの視界で見た時に、自社の実態に合わせ、整合性・連続性を丁寧に調節していくことが、昇進・昇格運用の精度を高めることにつながっていきます。
【図表5 昇進・昇格制度点検の視界図】

さいごに
さて、今回の特集では、先般実施した昇進・昇格調査報告の一部を紹介させていただきながら、昇進・昇格について考えてみました。人事制度上の要となるこの制度を4つの視界で見ることで、「適正な人材配置」と「継続的な人材成長」がなされ、その結果、貴社の管理職層が事業推進の原動力になっていくことを心より願っております。