実践する企業としない企業の差が広がる 「女性活躍推進の先にあるもの」
進め方のポイント(2)
【3.施策設計】
1.制度(施策)特性に応じた確認ポイント
制度を新しく設計する場合は、制度特性に応じた導入効果を確認するための議論を深めておくとよいでしょう。図表3は、制度の特性による確認ポイントを示しています。
・縦軸は制度特性であり、上にいくほどFair施策(男女に関わらず機会が均等に付与される制度)で、下にいくほどCare施策(女性特有の事情に配慮する制度)です。横軸は、制度対象者の範囲です。
・制度特性によって確認ポイントが異なります。例えば、左下に向かうほど、制度対象者(利用者)が限定的で、Care特性をもった制度となります。社内託児所や病時保育施設の設置などがこれに該当します。このような施策は、費用対効果に関する社内説明が求められるでしょう。
・左上に向かうと、制度対象者が限定的で、Fair特性をもった制度となります。女性管理職候補向けリーダー研修等がこれに該当します。このような施策は、対象者をそこに絞り込んだ根拠をしっかり議論すべきです。

2.ライフイベント支援施策は、全体を俯瞰する
女性のライフイベント施策の設計では、既存制度と整合性をとることが重要です。制度として何が十分であり、何が足りないかを、図表4のようなフレームで整理すると便利です。
例えば、産後・育児期の休業・勤務時間変更に関する制度は充実していますが、それ以外は制度が充実していない等、現状が俯瞰できます。
その上で、妊娠期の休業制度及び勤務時間変更(短時間勤務制度等)や、出産・育児休業中のフォローは、ニーズも高いため施策として追加するというような考え方ができます。