売れるために何にFOCUSすればよいのか? ロングセラーの研修を通じて、今求められる営業について考える
目指すべき営業スタイル
世の中にはさまざまな商品・サービスがあり、さまざまな営業形態があります。それに応じて営業スタイルも変化していきます。しかしながら、営業担当という人を介して営業(販売)するならば、これからはますます問題解決型が求められるでしょう。
図3を見てください。
『注文とり型』というスタイルがあります。営業担当がお客様のところを訪問して、御用聞きをするものですが、これは昔からあるスタイルであり、スタイルそのものを否定するつもりはありません。
しかしながら、このスタイルはどんどん『人』以外のものにとって代わられているのが現状です。
通信販売、テレビショッピング、ネット販売がいい例でしょう。今や主婦がネットで株式売買をする時代です。営業担当は必要ないというお客様もいるかもしれません。
そんな時代に営業担当(人)として、お客様の満足(=CS)を実現するためには、ただ注文を取るのではなく、プロとしてお客様の相談にのり、お客様の問題を解決するためのアドバイスをする必要があります。
顧客満足(CS=カスタマーサティスファクション)という言葉は、何も今に始まったことではありません。ずいぶん昔からいわれてきたものです。ただ、この考え方に沿った営業ができる営業担当は今も昔も決して多くはありません。
『営業担当=売り込まれる』という世の中のマイナスイメージがなかなか払拭されないのは、お客様の立場に立ってお客様本位の営業を実践している営業担当が少ないからなのでしょう。

営業の王道
そもそも誰にでも通用する究極のセールストークなど存在しません。相手(お客様)によってニーズが違うからです。営業を極めてシンプルに考えれば、商品・サービスの特徴とお客様のニーズをマッチングすることです。これさえできれば、売れるはずです。ですから、ニーズを聞くことが重要なのです。しかし、これをお客様との会話の中で進めていくことは決して簡単ではありません。相手は心をもった人間だからです。そこで、サインとスキルという考え方が大切になってきます。
図1に戻って考えると、営業担当は、常にお客様の心理をキャッチし、心理に合わせた適切な対応をとる必要があります。この適切な対応のことを「スキル」と呼ぶのですが、お客様の心理をつかむことは、なかなか難しいのです。
そこで、お客様の発言や態度(サイン)に注目して、しっかりとお客様の心理を把握することが重要になります。お客様がカタログを見ながら、腕組みをして「ううん……」と考える。これもサインです。
このサインには、「疑問がある」「迷っている」などの顧客心理が考えられます。このサインをキャッチできたらどうするのが適切でしょう?かまわず一方的に商品説明をすることではないはずです。
サインを見落としてもだめ、サインはキャッチしたが適切な対応ができない(スキル不足)のもだめなのです。このサインとスキルは実践で身につけるしかない。だからロールプレイが必要となるのです。FOCUSでも研修時間の半分くらいはロールプレイをやっています。