ハードの統合からソフトの融合まで M&Aの組織・人材マネジメント<後編>
ソフト融合のポイント
弊社がこれまでお手伝いさせていただいた経験から、ソフト融合のポイントは、3つのチャンスそれぞれのタイミングによって異なってきます。合併初期であればあるほど、お互いの共通点と相違点をしっかり認識してソフト融合を進めることが効果的です。逆に、合併後ある程度時間が経過し、組織として安定してきている場合には、旧社ベースの発想・意識を外し、1つの組織として先を見据えた取り組みが有効となります。
最初のチャンス(合併初期の融合):お互いの共通点・相違点を知る
・統合会社におけるミッション、ビジョンなど融合のための旗印をかかげる
・両社の共通点・相違点を早期に目に見える形で確認、共有する
・社員同士で根底にある思いや、大事にしていること、目指していることをじっくり共有する
2番目のチャンス(合併後1〜2年):お互いの共通点にフォーカスする
・統合効果、統合シナジーが期待に達していない、十分でないことにフォーカスする
・違いよりも、両社がこれまで大切にしてきたもの、原点などを確認しコアとなるものを抽出する
・さまざまな手段でコミュニケーションを行い、新たな理念や新たな戦略の浸透を進める
3番目のチャンス(合併後2年〜):旧社ベースの意識を外し、一体として取り組む
・組織・業務・人事の統合による混乱が収まり、落ち着き始めたタイミングを見極める
・1つの組織として目指すべき組織・風土との乖離や、社員の現状意識を認識し、共有する
・フォーカスセッションや、プロジェクトチーム等により組織改善・変革を加速する