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自律的なキャリア開発を支援 人材開発におけるカウンセリングの活用


人材開発にカウンセリングを活用する

■『個別性への対応』にカウンセリングが有効

では、カウンセリングをどのように人材開発プログラムに活かしていけば良いのでしょうか。カウンセリングの特徴は、なんといっても、「個別性への対応」です。この特徴を活かすべく、個別対応が必要なテーマについて、カウンセリングを活用しましょう。

例)
・個人のキャリアデザイン
・個人の能力開発支援(何が足りないか、何を伸ばすか)
・MBO運用支援:目標設定前の問題・課題整理、目標設定後の進捗フォロー

更に、集合研修と組み合わせることで、集合研修と個別カウンセリングが互いの長所を生かし、短所を補完しあい、効果促進が期待できます。キャリアデザイン研修とキャリアカウンセリングを例にして、考えてみましょう。

集合型のキャリアデザイン研修の良さ
・グループダイナミクスによる理解促進、動機喚起
・他者との価値観の違いを体験的に理解しやすい
・会社や事業の環境変化、人事制度などキャリアに影響がある要素を一斉に伝達できる

個別キャリアカウンセリングの良さ
・自分のペース、理解レベルで進められる
・自分自身の問題を相談でき、アセスメントツール解説などで、相談者自身の自己理解が深まる
・社内では話しにくいことが利害関係の無い第三者に相談できる(社外カウンセラーを活用した場合)

人間の行動は、知識、情動、意思によって影響されます。
よく言われることですが、研修終了後には気分が高揚している為、「やるゾ」という気持ちになるが、いざ現場に戻ると、現実の大変さに直面し、計画したことを出来なくなるとういケースもあるようです。研修で高まった動機を一過性に終わらせないために、フォロー施策としてカウンセリングを導入する企業もあります。

また、人材開発を行う際に悩む問題のひとつは、どのレベルの受講者をターゲットとして集合研修を実施するかです。高い受講者のレベル(知識、意識、経験値)に焦点を当てても、低いレベルの受講者達に焦点を当てても、双方不平不満を募らせてしまうことがあります。こうした場面でも、個別カウンセリングを集合研修と組合せることで、基礎教育を集合研修で行い、知識教育を実際の職務にどのように活用するかといった個別の問題を、個別カウンセリングで行う設計ができます。実際のある企業のケースを見てみましょう。

■集合研修とカウンセリングを組合せる

【ケース】中堅社員のキャリア支援施策
ポイント
・MBO面談のサイクルと組合せ、面談時にキャリアについて話し合うことを盛り込んでいる
・上司マネジャー自身にも、キャリアデザイン、キャリアの多様性理解させる
・相談窓口は社外カウンセラーを活用

【狙い】
中堅社員の活性化
管理職のキャリア支援意識醸成

【背景】
中堅社員の実態
・成果主義人事制度を2年前に導入。目標管理制度も徐々に定着してきた。
・組織がフラットになったため、ポストが少なく、中堅社員は今までのように組織管理職になりにくくなった
・また、若手社員の採用を絞ってきたため、組織内ではいつまでたっても一番下の年次
・刺激も無く、マンネリとなっている。
・リーダーシップを発揮して中核で業務を推進して欲しいのだが、バラつきが大きい。

こうした背景から、以下2点をポイントにキャリア支援施策を実施した。
・管理職にはキャリア研修を実施し、面談スキルなどの支援者研修を集合型の研修で行う。
・中堅社員には、個別カウンセリングをキャリア研修後と上司との面談後の2回受けられるようにした。
2回に分けた理由は、時期によって、次のような相談したいことが異なるから。
1)上司との面談時に話合う内容についての相談
2)上司との面談時に合意した計画を実践する際に起こる問題への対応の相談


こうしたケースでは、どのような成果、効果が出ているのでしょうか。
・仕事の意味づけ:多少マンネリ化しつつあった現在の仕事を、自分自身のキャリアと関連付け、再定義し、自己実現に向けて取り組む
・主体的な能力開発:行うべき能力開発を自らの考えで計画を立て、取り組み、獲得していく
・キャリア選択:年度で能力開発や業務課題を考えながらも、自分自身の価値基準(大事にしたいこと、ありたい姿)が考えられ、あるべきキャリア(キャリアゲート)を選択するための準備する

特に、上司との面談1前に、キャリアデザイン研修と個別カウンセリングによって、自分自身の目標、課題がよりいっそうはっきりできたようです。また、結果として、若年層のリテンションに効果があがっているようです。

ここまで、見てきたように、カウンセリングは、対象者の個別性の高い問題を解消する手法として、有効な手法と言えそうです。

その他、カウンセリング活用に当たっての留意点として、主なものを挙げてみます。
・広報・プロモーションの重要性−キャリア研修、キャリアカウンセリング、カウンセリングといった施策は、従業員からは誤解されがちです。狙いや行う内容などを正しく理解される工夫が必要です。
・人事部門自らが上司、本人に理解促進されるように、説明時間をとり、質問窓口を設けましょう。
・カウンセリングの受けやすい体制・運営面の工夫−場所や時間など従業員の方の状態に合わせ設計します。
・良いカウンセラーを選ぶ−単に資格、経歴ではなく、キャリア相談の実践経験、コミュニケーションスキル、専門家からの定期的なトレーニング(スーパービジョン)を受けているかどうかなどが検討点です。
・メンタルヘルス、コンプライアンス部門、他相談窓口との連携を進めましょう。

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