グローバル比較編 「経験から学ぶ」自ら育つ新入社員を育てるには?
中国と韓国の新入社員、日本との違いは?
それでは、アンケート結果から読み取れる中国と韓国の2011年卒新入社員の特徴を見ていきましょう。
中国、韓国の新入社員のアンケート結果から特に日本の2011年卒新入社員と差の大きい項目を抽出すると次のようなことがいえます。
<中国>
〜「振り返り」から学ぶ〜
経験学習のプロセスのうち、「やってみる」が高かった日本の新卒と違い、中国では「振り返る」が高い傾向にあります。項目別に見ると、「何かを経験すると、その経験から自分自身の志向や行動の特徴をつかむ」「学んだことや気づいたことを日記や手帳などに書きとめる習慣がある」が日本よりもはるかに高く、振り返ることが習慣化されていることがわかります。
〜人との関わりから学ぶ〜
中国と日本で有意に違いの見られた項目として、「様々な人と知り合う機会をつくるよう心がけている」「周囲には自分の本音を伝えている」「意見が対立しても、妥協するのではなくお互いに納得のいくまで話し合う」など、コミュニケーションに関する項目が挙げられます。「わからないことがあれば自分で調べる前に知っている人に聞く」も高く、周囲の人と積極的に関わりながら学んでいく傾向が窺えます。
<韓国>
〜自分で考えて進める〜
一方、韓国の新入社員で最も高い要素は「自分で考える」でした。項目別に見ても、「物事を判断する時には、手に入れた情報や他人の話よりも、自分の経験に重きをおく」が高く、「他の人のやり方をみて、良いと思ったらすぐに取り入れてみる」「厳しい意見やアドバイスでも素直に受け止める」が低いのが特徴的です。自分自身で考え、決定し、進める志向がより強いことが窺えます。しかしながら、「職場の人のプライベートには立ち入らないようにしている」が日本・中国よりも極めて低い点は注目すべき点です。仕事を越えた人との関わりに対しては、日本・中国よりも積極的であることが窺えます。
ところで、「目標の存在」が経験学習に重要な影響を与えることは前頁でお伝えしました。それでは、中国・韓国の2011年卒新入社員の意識はどうでしょうか?一般的に中国の若手は、日本人よりもキャリアを具体的に描いていると言われています。本アンケートでも「これから歩みたいキャリアのイメージを具体的に描いている」という項目において、日本の新入社員よりも有意に高い数値が中国・韓国とも見られました。