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人材開発とマネジメントに関わるウソ・ホント ようこそ人材開発部へ 〜異動者むけ演習〜


演習設問(7〜10)

設問7.
人は、読んで理解する、図表や映像などのビジュアルで理解するなど、それぞれ得意な学び方がある。その人の学習スタイルに合わせて教え方や研修の仕方を変えたときに教育効果は高くなる。

解答と解説
人には、読んで理解するのが得意であったり、ビジュアルをより好む、耳から入ってくるとよく覚える、など知識を習得する上で好みがある。しかし、その人の好む、どれか一つの方法を使ってメッセージを伝えるよりも、刺激の方法を組み合わせてメッセージを提供したほうが、より知識を吸収しやすくなる(Snow, R.1998)。

したがって文章を読むのが苦手だからといって話すだけの研修ではなく、テキストを読ませたり、ビデオを見せたり、と他の五感と組み合わせて提供することで学習効果を高めることができる。したがって、設問の記述は『誤り』である。

学習効果を上げるためには、メッセージの伝え方を限定せず、学習意欲が起こるような演習や手法を組み合わせることがより重要である。研修の企画では、対象者の属性と伝える手段(メディア)を選んで終わりというのではなく、伝え方・学習のプロセスを設計することが必要である。



設問8.
本来、受講者が楽しいと思える研修であればあるほど、学習効果は高くなる。したがって研修直後のアンケートでは、受講者の満足度が高いほど研修内容がその後の業務で実践されやすくなる。

解答と解説
研修の満足度は高いに越したことはない。だからといって、満足度が高ければ、職場にもどって研修で学んだことを実践するとは限らない。これはベテランの研修担当者であればいやというほど経験していることであろう。研修の満足度は、学んでいる内容もさることながらトレーナーと受講者の相性、研修環境などに影響される(Bers,T.H.1975 )。たとえば休日をつぶしての研修は概して満足度が低くなる。
また、受講者が心理的に受け入れにくいメッセージを伝えたり、理解させる研修は、受講者の心に中に葛藤を引き起こし、終了直後のアンケートでの満足度は逆に低くなる。(Clark,R.E.1980)

良薬は口に苦しということもあるわけだ。つまり、研修直後の受講者の満足度は、研修が受講者から受け入れられたかどうかを示す。しかし、職場での態度や行動の変化を保証するものではない。したがって、この設問の記述も『誤り』である。

研修内容の実践を期待するのであれば、研修直後の受講者の満足度に一喜一憂するのはあまり意味が無いといえる。現場で実践されるかどうかは、実践する上での阻害要因を取り除いたり、上司からのサポートといった研修以外の要因にも手を打つことが必要なのである。



設問9.
業績に対して報酬を支払うことで、より高い業績を引き出すようになる。したがって業績を上るためには企業の成果主義の人事制度・報酬制度を導入することをまず考えたほうがよい。

解答と解説
これは、昨今議論されている成果主義人事制度に関連してくる内容である。結論からいうと、業績と報酬をリンクさせることでは業績をさらに向上させることはできないということが多くの研究・調査によって明らかになっている。具体的な弊害として個人が短期の業績のみしか考えなくなり、長期的なチャレンジをしないといった事態も起こる。さらに自己の業績のみに執着することでメンバー間の協働が損なわれるなどといった弊害も持っている(Nulty,P.1995,Woods,S. 1996)。したがって、設問の記述は『誤り』である。

成果主義人事は、総人件費のコントロールや利益の分配の論理など、業績追求以外のねらいで導入されているケースも多い。成果主義人事にともなう弊害を回避するためには、目標設定、評価、チームワークの醸成など、さまざまな人事施策、マネジメントの強化を行う必要があるということである。たとえば、人材開発部としては考課者訓練や人事考課のフィードバックスキルを向上させる研修によって予想される弊害を防ぐことも考えられる。扱いを間違えると、むしろ全体の業績を損なう恐れがある。



設問10.
コーチングは、本人の自発性を引き出す普遍的なOJTの手法である。したがって部下育成では、まずはコーチングから行うことが効果的である。

解答と解説
4、5年ほど前からブームになっているコーチング、ともするとコーチング万能主義の感がある。
さて本論にもどろう。これは、設問3と同じように考える。部下の成熟度によって育成の方法を変える( Hersey &Blanchard 1996 ) ことがポイントである。これは、したがって『誤り』である。

新人や経験不足の人間には、教え込むというティーチングが有効な場合が多い。
ベテランには、権限委譲が効果的である。

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