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人材開発とマネジメントに関わるウソ・ホント ようこそ人材開発部へ 〜異動者むけ演習〜


演習設問(4〜6)

設問4.
従業員満足度と業績は相関が高い。したがって従業員満足度が高い職場は、業績が高くなる傾向がある。

解答と解説
これまでの多くの研究によると、職務満足と個人の業績は相関関係が見られない。また業績が高い組織だからといって従業員満足が高まるともいえない (Smitter,J.W.&Collins,H 1989)

業績を上げる上では、職場環境、モチベーションもそれぞれ一つの要素であるが、それ以外に能力や必要な情報へのアクセス、ツールなどの他の要因も重要であるからである(Gilbert 1978 ,1996)。したがってこれも『誤り』

ただし、組織全体の長期的な業績で考えると、職務満足度の低い職場は定着率が悪くなり、有能な人材の流出をもたらし、採用と訓練のコストが余計にかかると考えられる。とくに個人の熟練やスキルに依存する業務では、熟練した従業員から新人に置き換わると業績は明らかに下がるといえる。



設問5.
マネジャーは、職場の要である。したがってマネジャーの行動は、チームの業績に直接影響を与えているといえる。

解答と解説
下の図表は、56人の営業マネジャーおよびその部下263名への調査結果である。部署の風土、マネジャーの行動、部下の情報共有意欲、情報共有行動、業績との因果関連を表している。それぞれの要素の因果関係の強さは数字で表される(−1から1まで。正の数字になるほど因果関係が強い)。図から読み取れるように業績に直接影響を与えているのは、マネジャーの行動ではなく、部署の風土であった。マネジャーの行動は、組織風土を作ることに直接影響を与えるが、業績には直接影響せず、間接的に影響を与える。(高橋.2004)他の営業組織で行った調査でも同様の結果が得られた。

したがって、マネジャーの行動が直接業績に影響を与えるとするのは『誤り』である。この調査のメッセージは、組織の業績を高めるためには、マネジャーは優れた組織風土をつくることに注力しなければならないということである。

設問6.
協力的な風土になればなるほど、知識の創造が促進される傾向にある。したがって個人間で仕事の進め方で意見が食い違ったり、競争しあう風土よりも、協調型の組織風土をつくることがポイントになる。


解答と解説
組織の持っている知識が競争優位をもたらす知識競争時代を迎え、知識の共有やナレッジマネジメントは重要な経営テーマとなっている。組織内で知識が共有されるためには、メンバー間に協力的な関係が必要とされている。しかし、仲良しクラブだけでは新しい知識やイノベーションは創造されない。個人的な感情の対立や資源の奪い合いは、知識創造を阻害するが、仕事の進め方をめぐっての対立はむしろイノベーションが促進される、とくに顧客志向の強い組織ほどその傾向が強くなると報告されている(松尾.2002)。

どんな方法がいいのか、侃々諤々(かんかんがくがく)と議論していたり、お互いが優れた方法をめぐって切磋琢磨している様子を思い浮かべれば、納得しやすいだろう。協調的な風土は前提であるが、それだけではイノベーションは起こりにくい。したがってこの設問も『誤り』である。

知識が創造され、イノベーションが起こる組織にするためには、適度な緊張感・生産的な衝突が必要なのである。あえてタイプの異なるメンバーや異論を提起するようなメンバーを加えたほうが、議論が深まることは、多くの人が経験しているとおりである。

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