グローバルビジネスの成否を決める! 日本人海外赴任者育成の鍵とは?
海外赴任者に必要なサポート〜赴任の前・中・後〜
前頁の「鍵」を見ていると、あることに気付きます。これらは、日本国内でマネジメントを行う上でも同様に求められるものだということです。しかしながら海外では、より高いレベルで求められることは間違いありません。だからこそ、弊社では赴任の【前】【中】【後】のそれぞれのフェーズで、以下のようなサポートを赴任者に提供すべきだと考えています。
【図1.海外赴任者に対する望ましいサポート例】

◆赴任前
<選抜>
一般的に「語学力」と「実務能力」で選抜されることの多い赴任者ですが、後天的な開発が容易でない「好奇心」や「海外で仕事をする意欲」も軽視できません。これらは、強いストレス下におかれる海外でモチベーションを維持する源になります。
<育成>
インタビューを行った赴任者の中には、現地で経営管理やマネジメントの難しさに直面し、慌てて独学した、と語った方もいました。赴任前にマネジメント経験がない場合には特に、日本とは異なる環境でマネジメントを行うための能力開発を行うことが重要です。しかし、赴任決定後、わずか数ヵ月の間にトレーニングすることは容易ではありません。候補者人材をプール化し、計画的・中長期的に育成する必要があります。
※「育成」については、次章で個社事例をご紹介いたします。
◆赴任中
赴任先でも学習環境を維持できるよう「能力開発ツール」を提供すること、本人と家族にとって生活面やメンタル面での支えとなりうる「ネットワーク(人的サポート)の提供」などが不可欠です。
◆帰任後
帰任後の日本への再適応は、最も「本人任せ」になりがちです。赴任経験を意味づけする機会や、赴任経験を発信する機会の提供などを通じて、本人・会社双方にとってメリットのある帰任後のサポートを設けたいものです。