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グローバルビジネスの成否を決める! 日本人海外赴任者育成の鍵とは?

公開日:2012/03/12
更新日:2017/11/08

赴任者が困難な現実を乗り越えた11のキーポイント

では、海外赴任者がこれらの現実を乗り越えるためには、何が「成功の鍵」になるのでしょうか?
私たちは、このような困難な現実にあってもなお、高い成果をあげていた赴任者の共通項から、そのヒントを探りました。

◆11のキーポイント

1.一目おかれる「専門性」
国によっても異なりますが「語学力」以上に重視されるのが、現地で一目おかれる「実務能力」「専門性」です。これらは、海外でローカルスタッフと対等にやりあい、信頼を獲得するための拠り所となります。

2.「好奇心」から生まれる良好な人間関係
ローカルスタッフとの価値観の違いを楽しみ、自ら現地のコミュニティに入り込んでいく姿勢があってはじめて信頼関係を構築することができます。国内外を問わず、プライベートのつながりが仕事にも良い影響を及ぼします。

3.「事実に基づく」「率直な」コミュニケーション
国による違いはあれど、多くの国では日本にいるよりも「自分の意見をストレートに伝える」ことが求められます。「言わなくても分かる」ではなく、「言わないと分からない」、さらには「言っても分からないかもしれない」くらいの心構えが必要です。

4.ローカルスタッフを信じ、任せ、育てる「人材育成の力」
「自分よりローカルスタッフのほうが現地を知っている」ことを認め、ローカルスタッフを信じて任せることができるか否か?が、ローカルスタッフの成長を左右します。転職が多く、部下のリテンションが困難な国であっても、自社の社員として育てることを諦めない姿勢が重要になります。

5.スピーディな「問題解決」
海外では日本では起こりえないような問題が発生することがあります。また、成長著しい新興国ではビジネスをとりまく環境変化が激しいため、普段から事実情報を集め、問題の発生を予測して予防策を徹底したり、問題発生時にはスピーディに解決することが求められます。

6.役割を超えた「チームワーク」づくり
職務分担が日本より明確なことが多い海外では、役割を超えたチームワークを作ることは時に困難であり、意識的に働きかけなければ各ローカルスタッフは個人プレーに走りがちです。また、東アジアの国々では、ローカルスタッフは「家族的な職場」を期待する傾向にあります。

7.赴任における「志」の明確化
海外赴任に際して、上位者から明確にミッションを指示された、という人はそう多くありません。だからこそ、「海外で何を実現したいのか?」自分自身で主体的に意味づけることが必要になります。これが、ストレスフルな状況におかれた際の拠り所となります。

8.「組織方針」を自分の言葉で伝える
日本本社では暗黙に共有されている、企業として向かうべき方向性や価値基準も、海外拠点においては繰り返し、具体的に伝えなければ伝わりません。

9.バランスのとれた「意思決定」
本社と現地の板ばさみの中にあっても、いかにバランスのとれた意思決定を行うか? 特に環境変化の激しい新興国では、日本本社とは異なるスピードで意思決定を求められる場面が多くあります。ローカルスタッフの前で「持ち帰るからちょっと待って」と判断を遅らせることは、上司としての信頼を失うことにつながりかねません。

10.自分のリーダーシップに対する「リフレクション」(内省)
部下の価値観も、ビジネスの進め方も日本と異なる海外では、自分が得意とするリーダーシップのスタイルがそのまま通用するとは限りません。そのような時、自分のリーダーとしてのあり方について振り返り、意識的に変えていくことができるかどうか、が重要です。

11.よき「理解者」の存在
ストレスフルな海外で、赴任者が心を折らずに奮闘し続けるためのサポーターの存在は不可欠です。後ろ盾となる上司の存在、生活のアドバイザーになってくれる社内外の赴任者ネットワークに加え、ローカルスタッフの中で「右腕」といえるような存在を作れるかどうか?が鍵となります。

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