方針・戦略の推進を支えるリーダーシップ 組織の方針・戦略の推進の障害となる組織行動について考察
方針・戦略の推進を支援する
コッターの変革のモデルをベースに、新しい方針・戦略の効果的な推進を支援する組織開発、人材開発施策を列挙してみます。当然のことながら、これらの施策は個別組織の状況によって選択されるべきものです。また、選択された施策は有機的な連動を意図して組み合わされるべきでしょう。

組織開発面、人材開発面のいずれの支援も、時間とパワーのかかるものです。また、こうした活動はいわゆる「組織の見えない資産」への投資活動であるため、なかなか成果が把握しにくいのも事実です。しかし、方針や戦略の推進の本質は、新しい方向性に向けて多様なバックグラウンドと価値観を持った人々を“その気にさせる”ことであり、そこでは一見、非効率的でまわり道と感じられるような活動が実は重要な意味を持つ場合もあります。
最後にコッターの言葉を引用しておきましょう。
「(変革のプロセスにおいて)踏むべき段階の一部を省略してしまうと、スピードアップに成功したという錯覚が生まれるが、けっして満足のいく成果を上げることはできない。」ジョン・P・コッター「リーダーシップ論−いま何をすべきか−」ダイヤモンド社 黒田由紀子監訳より