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EVA導入による価値創造経営の意義 企業経営のための指標としてどの点でEVAは優位性があるのか


EVAの特長

EVAとは、利益からその利益を生み出すために使用した資本の使用料を差し引いたものであり、「EVA=NOPAT−資本費用」と表されます。
NOPAT(Net Operating Profit After Tax)とは、事業活動によって生み出された税引後の利益です。資本費用は資本を使用する際にかかるコストであり、「投下資本×資本コスト(%)」で計算されます。投下資本は銀行・投資家から調達した資本を表すと同時に、売掛金や在庫などの流動資産や土地・設備などの固定資産といった事業の用に供されている資産の額です。資本コストは、企業がその資本を使用することで最低限稼ぐべきリターン、つまり資本を提供してくれた投資家に対して、企業が提供しなければならないリターンの率であり、企業の側から見れば、資本を使用するコストの率ということになります。(図1)

EVAには次のような特長があります。(図2)

1. 資本コストを加味
EVAが会計上の利益概念と際立って異なる点は、資本コストを加味しているということです。資本コストの概念は、企業価値を考える上で必要不可欠なファクターですが、これまで企業においては、設備投資や企業買収の判断基準として用いられるDCF法(割引キャッシュフロー・アプローチ)などにその活用が限定されていました。しかし、EVAでは、企業が調達した資金はいかなるものもただではないという至極当然の前提を、計算の中に組み込んでいます。

特に、我が国においては最近まで「株主資本」を「自己資本」と呼んでおり、ただであるかのように扱ってきました。また、会計上の利益も株主資本はただであるという前提にたち、株主資本に対するコストを無視しています 。しかし「株主資本」はあくまでも「株主」から提供を受けている資本です。内部留保(剰余金)にしても本来株主に帰属するものであり、単に株主への返還を待ってもらっているにすぎません。資本は投資家からもらったものではなく、あくまで「託されている」ものにすぎず、企業は投資家から託されている資本を使って、投資家が満足するようなリターンを生み出すことを要求されているのです。したがって、負債に対して金利が発生するのと同様に、株主資本に対してもコストを認識する必要があります。金利を目に見える形で毎期負担している負債に加え、株主資本についてもコストがかかるという概念は、EVAが我が国の企業経営にもたらした大きな貢献といえます。

2. 損益計算書と貸借対照表の統合
EVAの構成要素のうちNOPATは損益計算書(PL)を表し、投下資本では貸借対照表(BS)を捉えた上で資本の使用料を資本費用として認識します。すなわち、EVAはPL項目とBS項目を統合した指標ということができ、利益だけではなく、どの程度の資本を使用してその利益を生み出したのかという資本効率の点も考慮しています。同じ100という営業利益を生み出しているとしても、利益を生み出すために使用している資本が1,000の場合と10,000の場合とでは、資本効率の点で大きく異なります。PLのみならずBSの情報も一つの数値として捉えるEVAにおいては、このような違いが明確に業績に反映されるのです。

EVAにおいては企業の中で日常行われる様々な取り組みの結果が一つの数値に統合されます。売上高の増加やコスト削減等のPL項目に関する取り組みのみならず、売掛金の早期回収、在庫削減、設備の有効活用等といった資産効率向上に目を向けたBS上の取り組みの結果も 、EVAの増加となって表れるのです。ある日本のEVA導入企業の役員は、「これまで営業は在庫を金額ベースで考えたこともなかった。日常業務の中でEVAを意識することで血が通い、サプライチェーン・マネジメントも回りだした」と、大きな効果を語っています。

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