発展ステージに照らして課題を認識 組織の「ひずみ」は、人事に解消できるか?
「ひずみ」を克服! 施策展開のポイント(2)
●組織に対する共通認識をもつ場
多くの企業では、自社の組織の状態について、日常的に議論する機会はほとんどありません。現実の施策を実りあるものにするためには、まず組織運営に関わるメンバーが、自社の組織について共通認識をもち、テーマの重要性に合意していくことが重要です。そのとき、今回ご紹介している「組織の発展モデル」が役に立つかもしれません。
実際に、ある企業の研修プログラムでは、このモデルを使った議論の場をもちました。その際、参加者の方々からは、「自社の組織の実態を俯瞰して確認できた」「ひずみを解消しないまま、会社の規模が拡大していっていることが再認識できた」「何が起こるか分かるので、今後手を打つべき課題が見える」などの声が上がりました。
「組織の発展モデル」を参考にしながら、自組織について議論の場をもつことをお勧めします。
●組織状態の「モニタリング」のしくみ
社員向けの意識調査などを活用して、定期的に組織の状態を確認することができれば、「ひずみ」が発生する兆しを捉え、先手を打つことが可能になります。例えば、毎年1回、調査を実施・分析して、具体的なアクションを起こしていくしくみを作ると有効です。また、組織力や組織風土について多面的な情報収集を行なうことで、組織の状態を鮮明に把握することができます(図表5)。

組織の発展ステージに伴って生じる「ひずみ」を放置することは、事業へ悪影響を及ぼすおそれがあります。事業拡大の方向性と組織の発展のベクトルを合わせていくことは、人事にとってますます重要なテーマとなっていくでしょう。今回ご紹介した「組織の発展モデル」がその一助になれば幸いです。
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