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新人・若手意識調査のタイプ別分析より 若手の「安定志向」の正体

公開日:2014/03/19
更新日:2017/02/24

二分される勤続意向

定年まで現在の会社に勤続する意向については、組織志向のA・Bタイプで過半数が定年まで勤続する意思があると言っていますが、仕事志向のC・Dタイプでは、いずれも勤続意思がある層は2割に達しません。つまり、組織志向か仕事志向かによって、勤続意向の有無は大きく二分されていることが分かります。(図表6)

前述の終身雇用に対する考え方と比較すると、どのタイプも終身雇用を支持する割合よりも自身の勤続意向は低く、会社に対して保証を望むものの自分自身のこととなるとそれは分からないという傾向が見られます。

定年まで現在の会社で勤続したい理由の上位2項目は、「解雇の不安がなく安心して働けるから」「人生設計が立てやすいから」であることは共通性が高いですが、その他の項目の選択率に着目すると、タイプによる傾向がいくつかあることが分かります(図表7)。

仕事志向のC・Dタイプについては、「興味関心のある仕事なのでじっくり腰をすえて仕事がしたいから」という、仕事に対する前向きなコミットを理由とした項目の選択率が高いようです。
また、変化志向のB・Cタイプについては、「一つの会社でどこまで自分が挑戦できるかを試したいから」という積極的な理由の選択率が高く、「転職するのは大変そうだから」という消極的な理由の選択率が低いという特徴が見られます。変化を前向きに捉えるという変化志向の特性がある一方で、一つの会社で挑戦し続けるという方向性でのチャレンジ精神も持ち合わせていることがうかがえます。

このように、定年まで勤続することを望む理由は、変化志向であるかどうか、仕事志向か組織志向か、の両方によって違いが生じていることが分かります。

このような若手の傾向と背景は、職場や人事の方にとって何を意味しているのでしょうか?

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