将来の組織や人材への展望について見えたモノ 最新調査報告 これからの人材マネジメントへのヒント
人材の多様化と選抜に向き合う
人員構成について、「従業員に占める外国人の比率が、現在より高まっている」「従業員に占める女性の比率が、現在より高まっている」「従業員に占める高齢者の比率が現在より高まっている」と回答した企業は70%を超える結果*となっています。(*「よくあてはまる」「ややあてはまる」の選択率の合計。以下同様)
採用については、「優秀な人材の確保が、現在よりも難しくなっている」と回答した企業は約80%となっています。
図表5. 組織・人材マネジメントの見通し

※出典:『今後の人材マネジメントに関する調査』
これらの結果からは、日本の人口が減少する中、優秀な人材を確保するために、企業はこれまで以上に女性、中高年、また外国人というリソースを重視しようという意図を持っているということがうかがえます。
また、経営層については、「経営ボードが、現在より若返っている」と回答した企業は60%程度となっています。一方、「経営ボードの多国籍化が、現在より進んでいる」については、予測が割れています。
処遇については、「給与格差が、現在より大きくなっている」と回答した企業は70%を超える半面、「給与水準が、現在より高くなっている」と回答した企業は40%を切っています。
教育投資については、「従業員の教育に対する投資が、現在よりも積極的に行われている」「教育投資の対象となる従業員と、そうではない従業員のメリハリが、現在よりも強くなっている」と回答した企業はともに70%を超えています。
これらの結果は、経営人材の早期選抜がより進む可能性、またそのような「選抜された人材」に対して、高い処遇を与えることや重点的な教育投資を行おうという意図の表れと考えられます。
さらに組織・制度については、「従業員が、現在よりも多様な働き方を選べるようになっている」「外部の企業や研究機関とのコラボレーションが、現在よりも多くなっている」と回答した企業は70%を超える結果となっていました。
今後企業は、組織内外のさまざまな多様性をもとに、新たな価値を生み出そうとしていることが、これらの結果からうかがえます。
このように組織・人材の状況の変化が予測される状況において、働く人の力を引き出す「動機づけ」のために重要なものについては、どのような認識がなされているのでしょうか?
現在と2025年頃、2つの時点を対象にした質問の結果から、次のページでその答えを探っていきます。