1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

経営と一体となって現場の活力を引き出す これからの「人事の役割」とは?


「戦略」が先か?「組織」が先か?

米国では1980年代に、人材を戦略実行の重要な資源と見なし、人材に望ましい行動を引き出すための戦略的人材マネジメントの研究(*2)が始まりました。日本でも1990年代に、バブル崩壊に伴う成果主義人事が検討される頃から、「戦略人事」という言葉が使われるようになりました。

しかしながら、「戦略人事」の概念は、人によって考え方が違っていることがあります。「戦略を実行するうえで必要な人材マネジメントを行うこと」という考え方もあれば、「優秀な人材を揃え、組織コンディションを整えることによって、戦略が実行しやすくなる」という考え方もあるのです。

前者は「ロシアへの進出にあたり、ロシア語ができる人材を調達する」ケースであり、後者は「優秀な新卒人材を採用することで、秀逸なビジネスモデルを創りあげる」ケースです。言い換えれば、「組織は戦略に従う」が前者で、「戦略は組織に従う」は後者です。

経営戦略を環境に応じて定めるときの想定期間は数年から10年程度です。一方で、人材を採用・育成するときの想定期間は数十年単位であり、両者が想定する時間軸には少なからぬギャップが生じます。特に日本では新卒一括採用を行い、簡単に人を解雇することができないことを考えれば、「組織・人事」が「戦略」に何らかの制約を与える可能性が高いといえます。

加えて、過去の経営理念や人材マネジメントポリシーによってつくられた組織文化や価値観は、戦略が変わったとしても短期間で簡単に変えられないことも考慮する必要があるでしょう。

これらの点を踏まえた「戦略人事」とは、「将来の戦略を想定して、その戦略を実行できる人材を先回りして採用・育成したり、戦略に合致した組織文化をつくったりすること」、あるいは反対に、「既に採用・教育した人材を生かして、自社独自の戦略を考えていくこと」であるといえます。

いずれにしても、戦略と組織・人事は相互に関係し合っているため、その相互の関係性をマネジメントしていくことが「戦略人事」といえるでしょう。ここまでは「戦略人事」に関して、戦略と組織・人事の関係性について触れましたが、「戦略人事」の中身はどのように考えればよいのでしょうか。

*2:例えば、Fombrun, Charles J., Tichy, Noel M. and Devanna, Mary Anne(1984)Strategic Human Resource Management. John Wiley& Sons. など

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
お問い合わせはこちらから
WEBからのお問い合わせ
資料請求・お問い合わせ
[報道関係・マスコミの皆様へ]
取材・お問い合わせ
電話でのお問い合わせ
0120-878-300

受付時間
/ 8:30~18:00 月~金(祝祭日除く)

※フリーダイヤルをご利用できない場合は
03-6331-6000へおかけください。

SPI・ReCoBookに関するお問い合わせ
0120-314-855

受付時間
/ 9:00〜18:00 月~金(祝祭日除く)

記事のキーワード検索
Page Top