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現地法人のパフォーマンスを高める 海外進出を成功に導く5つの観点


高業績企業群の人事施策とは?

図表3.は、「営業利益の成長」「離職率の抑制」「従業員満足度の向上」において、高業績企業群と低業績企業群を比較し、実施状況に差異がみられた人事施策を成果指標ごとにまとめたものです。

図表3.成果指標ごとに特に有効な人事施策

「営業利益の成長」に関連がみられたのは、業務プロセスや方法論に関するグローバルスタンダードの展開や、本社や他拠点で開発された技術・ノウハウの移転といった「ナレッジトランスファー」に関する施策群および、経営層と現場の直接対話や参加型の活動など、「組織開発」に関する施策群です。

これらの施策は、前節でご紹介したとおり、現地法人の組織の能力を高め、現地にあわせて展開していく上で不可欠ですから、営業利益の成長と関連性がみられるのは非常に納得できる結果です。ただし、残念なことに日系企業では他と比べ、組織開発施策の実施度が低いことも明らかになりました。


「離職率の抑制」に関しては、まず退職金や住宅補助の提供、年功の処遇への反映といった「長期的関係構築」に関する施策群に、想定どおり差が見られました。また、上位ポジションへの登用機会が誰にでも開かれていることの明示、現地の人材への赴任者からの教育の実施、そして、現地の人材のアイデアの経営への活用や課外活動といった点に差が見られました。

現地の人材を本社からの赴任者と分け隔てなく扱って昇進や学ぶ機会を提供し、公式・非公式に協働の機会を作ることが、組織内の信頼関係や一体感を高め、離職の抑制につながるのだと思われます。


「従業員満足度の向上」に関しては、営業利益率や離職率と関係の見られた施策に加え、拠点の戦略を従業員に説明する機会を定期的に設けること、そして、報酬水準の競争力を定期的にレビューすることとの関係が読み取れました。これらは市場環境の変化が激しく、賃金水準が年率数%で上がり続けている中国ならではの結果と言えるかもしれません。

こうした結果は、海外拠点の運営における組織・人事施策の重要性を物語るものですが、加えて、打つべき施策は目的や状況によって異なるということも示唆しています。

例えば、ナレッジトランスファーが営業利益の成長にプラスに働くからといって、離職率が高い状況では、いくら技術やノウハウの移管を行ってもなかなか成果につながりにくいと思われます。ですから、まずは離職を押さえる施策を行った上で、技術やノウハウを現地に移管し、定着させていくといった、優先順位をつけた中長期的なシナリオが必要だと言えるでしょう。

では、このように組織の状況を把握した上で、シナリオを描き推進するのは誰の役割なのでしょうか?

最後に、施策を推進する主体である、現地人事の体制について考察します。

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