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現地法人のパフォーマンスを高める 海外進出を成功に導く5つの観点


海外現地法人のパフォーマンスを左右するものとは?

図表2. に示したのは、海外現地法人においてパフォーマンスを左右すると考える人事・組織マネジメントの枠組みです。

図表2.現地法人のパフォーマンスを左右する5つの観点

この枠組みは、国際人事管理に関する先行研究や内外の多国籍企業の事例、グローバル人事部門や現地法人の責任者といった方々へのインタビューを集約したもので、以下の5つの観点により構成されています。

(1) タレントマネジメント
現地法人の中核を担う人材とその候補の採用、育成、リテンション、登用に関わるものです。
昨今、日本企業でも広まりつつある後継者計画(サクセッションプランニング)の導入や幹部候補に対する特別な教育の実施、経営層によるメンタリングなどが、具体的な施策として挙げられます。

(2) パフォーマンスマネジメント
管理職や一般の従業員の動機付け、能力開発に関わるものです。
評価や登用の基準を明確に示し、パフォーマンスを評価し、給与や昇進に反映していくこと、あるいは、組織運営や業務に関わるトレーニングを行うことなどが、この観点に当てはまる施策といえます。

(3) ナレッジトランスファー
前述のとおり、海外展開の目的は、企業がもつ独自の資源(技術やノウハウ)を現地の市場で生かすことです。これは現地法人に特有の観点です。
そのためには、本社や先行する他の拠点で生み出された知的資源を現地の人材に移管していくことが欠かせません。ここには、自社の標準的な業務のやり方を現地の人材に教育していくことや、行動・判断の基準である経営理念や価値観を共有していくこと、赴任者が現地の人材に対してスキル移管を行うこと、などが当てはまります。

(4) 組織開発
現地の人材、本国からの赴任者を含め、組織内のタテヨコのコミュニケーションを活性化し、現地の人々のアイデアが経営に生かされるような組織を作っていくことが、現地での適応には不可欠といえるでしょう。移管したノウハウや技術を現地の状況に合わせて活用するためにも必要となります。

(5) 長期的関係構築
長期的な組織能力の蓄積を重視する日本企業の経営スタイルを海外で実践していく上では欠かせない観点といえるでしょう。労働市場の流動性が高い国において特に重要と考えられます。
ここには、退職金や充実した福利厚生、年功的な処遇、そもそも長期雇用を重視することをメッセージする、といった施策が対応します。

これら5つの観点での施策が、実際に企業のパフォーマンスにどのような影響があるのかを確認するために、私たちは中国において、日本、米国、欧州に母体をもつ多国籍企業の現地法人を対象に調査を実施しました。

日系・米系・欧系から、それぞれ約100社の回答を分析したところ、非常に興味深い結果が明らかになりました。

まず、当たり前のことですが、日系・米系・欧系のいずれにおいても、高業績企業と低業績企業に分かれること。次に、それらの企業群の間には人事施策の実施状況に「差」が見られること。そして、「営業利益の成長」「離職率の抑制」「従業員満足度の向上」に関連がみられる人事施策は、それぞれ異なることです。

次ページでは、具体的な人事施策について、ご紹介していきます。

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