動かない部下を動かす技術 マネジャーの理想と現実 〜現実を動かすヒント〜
結果の一貫性と精神の一貫性
最後に、一貫性をめぐる大切なことを一つ。
それは「結果の一貫性と精神の一貫性」です。
マネジメントをしていると、時として一貫しない判断・行動〜結果をとらざるを得ないことがあるのが現実です。それは部下も分かっていて、どのような場面でも大事にしていることを貫き通すこと、すなわち「結果の一貫性」まで部下は要求しないものです。そのときに部下が見ているのが、「精神の一貫性」です。
結果が一貫していなくとも、「ぎりぎりまで一貫しようとあがいた姿」「一貫できなかった結果に本気で悔しがる姿」「次の機会には一貫しようと努力する姿」をマネジャーから感じられれば、部下はそのマネジャーの精神の一貫性を信頼します。結果として、マネジャーへの信頼は失われることはありません。
ここまで考えてきたように、信頼はマネジャーにとってだけでなく、すべてのビジネスマンにとって永遠のテーマです。
信頼が創造されるプロセスでは、「マネジャーの姿勢や志」が原点となり、「メンバーの喜びや悔しさ」によって信頼が高まっていきます。
その軌跡は、まるで「らせん階段」のような軌跡を描きます。すなわち、必ずしも目に見える前進ばかりではなく、時には後退しているように感じる場面であっても、信頼を高めていくことができるのです。
部下からの信頼を得るためには焦らず、へこたれず、着実にらせん階段を上ることが必要になるのです。