部下から見た上司の特徴について アジア4カ国比較からみる「理想の上司」とは?
インドは競争し合う職場作りを求める
●人間関係やチームワークを重視する上司を求める日本
図表04は、上司がどのような職場風土を作るべきか、について調査した結果です。
中国、インドは競争し合う風土を作る上司を理想とする人が多い一方、日本は協力する職場風土を作る上司を理想と考えていることがわかります。さらに図表05では、仕事の完遂と人間関係のどちらを重視するかを質問していますが、日本以外の3カ国は仕事の完遂を重視すべきと回答する人が多い一方、日本はABどちらも同程度の割合です。
日本は、職場作りの面でも3カ国と比較して、特に職場での人と人との関係性や協力を重視する上司を理想と答える人が多いことがわかります。

●日本の理想の上司は擦り合わせ型、だが3カ国とはギャップがある
ここまで論じてきた特徴をまとめると、日本では、仕事を始める段階では、いったんおおまかな計画を置き、仕事を進める過程で状況に合わせて達成基準や評価基準を柔軟に調整していく上司を理想と考えている人が多いようです。また、職場ではチームワークや人間関係を意識しながら、物事を動かしていく業務の進め方を理想としているようです。
この特徴は、職場の社員同士の強いチームワークの中で、小まめに擦り合わせを行いながら柔軟に物事を進めていく「インテグラル型(擦り合わせ型)」の仕事スタイルに適した上司像といえるのかもしれません。
一方で、同じアジアとはいえども、中国・インド・シンガポールでは、そのような特徴の上司像は、必ずしも理想的な上司像ではないことが見えてきました。
では、わたしたちはこのギャップをどのように考えていけばよいのでしょうか。