金田裕子『人生100年時代、自分自身の意思で働き方や生き方を描いていく』

想像以上に、創意工夫の出来る仕事

私は新卒で当時のリクルートに入り、他のグループ会社でマネジャーを務めてからトレーナーに応募し選考を受けました。他社からトレーナーに転身される方が多いですが、私のように同じグループから、選考に応募してトレーナーになる方も一部います。
リクルートマネジメントソリューションズの事業は、人や組織の課題に向き合うため、合理や効率性の観点だけでは進めない。とにかくスピード重視で新しいサービスをどんどん展開していた前職と、「大事なものは変わらない」「丁寧に育てていく」というリクルートマネジメントソリューションズ。同じグループでも両極端ですが、個人のいいところを探し生かそうとする組織風土は、リクルートグループ共通だとも感じています。
時折、昔の仲間から「1年間の養成で、マニュアルを丸暗記してプレゼン力を磨き、研修の場に立つの?」と聞かれることがあります。しかし実際の養成期間は、受講者に寄り添い、聞く(聴く)、見る、話すが出来るようになるために、「ここまで!?」と思うほどに自分と向き合います。小手先のスキルよりも、スタンスを固めることが重視されるのです。マニュアルはあるものの、当日はすべてトレーナーに委ねられ、おそらく皆さんの想像以上に創意工夫の余地は大きいです。
学生時代、ブラスバンドをやっていたのですが、トレーナーの仕事と似ているなと思うことがあります。ブラスバンド演奏の良し悪しは、自分勝手を捨て、仲間とどれだけ呼吸を合わせられるかで決まります。トレーナーの仕事も、受講者の様子を見て呼吸を合わせ、適時適切な発問やメッセージを心がけます。そうすることで、気付きの生まれる良い研修の場が生まれるのです。楽譜にも、マニュアルにも表現できない部分が、決め手になる。難しくて、奥深くて、でもたまに上手くいくと、その感動が忘れられない、という点も同じですね。

「教える研修」は求められていない

私の失敗体験なのですが、お客様の研修担当者から「あれではただの研修だよ!」と叱責されたことがありました。一瞬「あれ?私、研修屋じゃなかったっけ?」と思ったのですが、お客様が私たちに求めているものは、ビジョンや戦略と受講者の現実を繋ぎ、全員が主体性を高めて一歩を踏み出すこと。これは、頭でだけ理解しようとしてもダメです。心や感情、その人の持つ価値観にまで繋げていくことが、お客様から求められている期待。それらが繋がった瞬間、受講者の表情や目つきが変わり、発する言葉も変わります。
研修では受講者の変化が目に見える形で返ってきます。だからこそ、そういう場が生まれた瞬間は、お客様の変革を一緒にやっている実感が沸きます。私たちは、主体的に人や職場を変えていく機会を提供しているのであって、理論や理屈、理想を並べただけの解説やセッションは、彼が言った、「あれではただの研修だよ!」という一言に尽きるわけです。

仕事は奥深く、人生設計は幅広く、それがトレーナーという生き方

リクルートマネジメントソリューションズのトレーナーは、「過去の経歴や実績、知識で稼ごう」という意識では到底やっていけません。トレーナーへの挑戦は、今までのキャリアや考え方を一旦リセットし、本当にゼロから再スタートする感覚です。自らも常に学び、成長し続けていく必要があります。目標とする先輩が30年先を走っていて、今でもとても努力されている。私も必死で成長する。そこまで努力しても、もしかしたら、本当の意味で活躍できるのは、60代になってからかもしれない。人生の軸を延ばして人生100年と考えると、とてもチャレンジブルで面白い仕事だなと思います。
前職に留まっていても、その組織の中で成し遂げられることは増えていったと思います。ですが、「人生を、どう作っていくか」と考えたときに、会社は人生までは作ってくれないと考えました。トレーナーであれば、人生そのものを自分で描いていくことが出来ます。たとえば、先輩トレーナーの中には、50歳で大学に通い直したり、世界を旅したり、ウルトラマラソンに挑戦されている方がいます。私も子供の手が離れたら、将来思い切って1年ぐらい海外に移住して仕事をしたり、大学院に通ってみたりしたいと考えています。今は、そういった人生の選択肢を増やせる働き方が出来ています。キャリアという枠を一旦なくして、「人生を自分でどう作っていくの?」と、ちょっと先、随分先のゴールを選択できる幅が、会社員時代とは違うなと思います。仕事は奥深く、人生設計は幅広く、それがトレーナーという生き方だと思います。

トレーナーの声

お問い合わせ

Page Top